前回、Webサイトへの投資を適正化するなら「客観データ」を使って評価せよ、と提言しました。第2回目となる今回は、客観データを“共通語”として、Webサイトの運用プロジェクトを推進することの必要性について考えてみたいと思います。
企業にとってWebサイトの運用は、継続的なプロジェクトとなります。例えるなら、日本が生んだスポーツである「駅伝」に通じているのかもしれません。Webサイトの企画から設計、構築、テスト、運用、更新を担う各担当者。これは駅伝で言えば、「区間」を任された選手が、それぞれの持ち場の責任を果たしているのと同じ状況と言えるのではないでしょうか。
こうした集団をまとめるリーダーは、関係者全員で共有すべき「ビジョン」や「ゴール」を提示することが大切です。もっともこれらは、「主観データ」を使って導き出されているケースが大半です。主観データとは、自社のWebサイトを自身のやり方や環境で測定した情報を指します。例えば売り上げやコンバージョンレートを高めるといった具体的な数値目標をもとにプロジェクトを推進しています。
しかし、プロジェクトを確実に成功へ導くためには、「主観データ」だけに基づいた「ビジョン」や「ゴール」を設定すべきではありません。駅伝で言えば、各選手のコンディションやタイムだけをもとに戦略を決めているようなもの。ライバルとなるチームやコースの状態、天気、気温など、競合を上回るために必要な情報を収集/活用することが不可欠です。自社のWebサイトの状態だけを見るのではなく、競合他社のWebサイトと比較/評価することで、初めて自社のWebサイトへの投資が適正なのかを判断できるわけです。
Webサイトの企画や設計、運用、更新などを担う各担当者が、共通の「ビジョン」や「ゴール」を掲げるためには、関係者全員が価値を共有できる「客観データ」を活用することが大切です。客観データを“共通語”とすることで、各担当者はビジョンやゴールを見失わず、Webサイトを適切な方向へ導くことができるようになるのです。
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