ネットワールドは2013年12月17日、ブライベートセミナー「ココが知りたいHyper-V! ~現場で使える設計・構築のポイント~」を開催した。Windows Server 2012 R2の新機能やHyper-Vを使った設計/構築時のポイントを紹介したほか、Hyper-Vに関する設計ガイドを共著した5名によるパネルディスカッションを実施。“最新のHyper-Vによる仮想化”で、何が変わるのか? リリース間もない新製品の情報を入手しようと、会場は多くの来場者の熱気に包まれた。
「クラウドOS」に進化したWindows Server 2012 R2
講演ではまず、日本マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部インフラストラクチャーテクノロジー推進部エバンジェリストの高添修氏が、Windows Server 2012 R2とSystem Center 2012 R2の新機能を紹介した。
Windows Server 2012 R2は、仮想化、ネットワーク、ストレージ、クラウド、モバイル向けの新機能を追加した。具体的には、システム構築と制御が容易になったこと、仮想マシンのアーキテクチャが第2世代になったこと、Linux向けに拡張したこと、Hyper-Vレプリカが進化したことを高添氏は紹介した。仮想マシンを稼働したまま複製したり、ディスク容量を動的に変更したりできるようになった。「Shared VHDX」と呼ぶ共有仮想ディスクを使い、複数の仮想マシンでクラスタ構成を組むこともできる。
高添氏は「Windows Serverが備える機能だけでサーバー仮想化を実施できる。SDN(Software-Defined Network)の考え方に基づく仮想ネットワークを構築したり、重複排除や階層化機能を使ったストレージを用意したりすることも可能だ。仮想化ソフトの製品選択で迷う必要はもうない」とアピールした。
Hyper-Vによる設計/構築のベストプラクティスとは
続いて、ネットワールド SI技術本部 インフラソリューション技術部 システムソリューショングループ 主任 末森俊博氏が、Hyper-Vを使ったシステム設計/構築のベストプラクティスを紹介した。このベストプラクティスは、末森氏や高添氏などが執筆に携わった著書「Windows Server 2012 R2 Hyper-Vシステム設計ガイド」(インプレスジャパン刊)に記載する内容がベースとなっている。
例えばHyper-Vをインストールするホスト1台あたりのプロセッサー、メモリーをどうサイジングすべきか。末森氏は具体的な計算式を使って、注意点を交えつつ適切に算出する方法を提示した。「仮想マシンのリソースに着眼するのは大事だが、ホストOSをインストールする領域(親パーティション)のリソースをしっかり確保することが重要である」 (末森氏)。
さらに、Windows Server 2012 R2を使って仮想環境を構築する際の、必要なネットワークやストレージの設計ポイントとベストプラクティスを紹介。見落としがちなバックアップに関する注意点なども提示した。