矢野経済研究所は2014年5月15日、国内ERP市場の動向調査の結果を発表した。2013年のERPパッケージライセンス市場は前年比7.4%増の1053億3000万円だった。
好景気が追い風となって企業の投資意欲が向上、2011年~2012年頃からリプレースが本格化しているため。2桁増だった前年に比べると鈍化したものの、依然として堅調な伸びを示している。
事業拡張、グローバル化、M&Aなど経営環境の変化に対応するための戦略的な投資も増えている模様。自社開発システムの利用率が高い生産管理システムや販売管理システムでのパッケージ適用が進む。企業グループ全体の経営基盤としてERPを導入する傾向も強い。中小企業向け市場では、消費増税とWindows XPサポート終了に伴う駆け込み需要もみられたが、市場全体に影響を及ぼす規模ではなかった。
リーマンショック後に停滞したERPへの投資回復が一巡するまで、5年程度は継続的に成長する見込み。2014年の市場規模は前年比6.7%増の1124億円、2009年から2016年までのCAGR(年平均成長率)は6.3%で推移すると予測する。