今日の情報システムは企業を支え、ビジネスを戦略的に遂行するための武器でもあります。その構築・実現を担うIT人材の育成は、あらゆる企業にとっての最重要課題にほかなりません。本連載では、企業のITリーダー=IT戦略・情報システム責任者が、いかにしてIT人材育成・活用を推し進めていけばよいのかを掘り下げていきたいと思います。
人材不足が質・量ともに深刻な中で、企業のIT部門には、単なるコスト削減ではなく、仕事の質を落とさずに効率を上げるという難題が突きつけられています。その取り組みにあたっては、人材の確保と育成がキーになることは言うまでもなく、今までどおりの意識で、教育ベンダーや人材派遣企業と付き合うわけにはいかないのです。
教育ベンダーと人材派遣業者が置かれている現状
スキル標準が浸透しつつある中、人材育成の中核を担うべき教育ベンダーはどのような教育プログラムを提供しているのでしょうか。実態としては、その大半がITSS(ITスキル標準)キャリアフレームワークやUISS(情報システムユーザースキル標準)タスクフレームワークに、自社提供のトレーニングをマッピングして見せるといったことだけしかしていない――そのように見えるのは筆者だけでしょうか?
また、人材不足や企業のコスト意識の高まりを背景に、人材派遣企業は順調に業績を伸ばしました。しかし、言われるままに人材を派遣してきて、この状況変化の中で、需要環境や受け入れ企業の考え方に左右されてしまい、結局戦略も何もあったものではない――そう感じるのは筆者だけでしょうか?
すべての教育ベンダーや人材派遣企業がこの通りだとは思いませんが、印象として強いものがあるのは確かです。
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