[調査・レポート]

データ分析需要の増大と技術進展で継続的な成長へ―IDCの国内DB/データ分析基盤市場予測より

2014年8月25日(月)IT Leaders編集部

IT市場調査会社のIDC Japanは2014年8月25日、国内データベース/データアナリティクスプラットフォームソフトウェア市場予測をレポートにまとめ、その概要を発表した。同社は、ビッグデータ活用への期待の高まりなど企業のデータ分析ニーズの増大と、非構造化データ管理やインメモリーなど技術の進展により市場が継続的な成長を遂げていくとしている。

 IDC Japanの調査では、2013年の国内データベース/データアナリティクス・プラットフォームソフトウェア製品市場規模は前年比7.1%増の1209億円となった。同市場は今後も拡大を続け、2018年の市場規模は1723億円、2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は7.3%になるとIDCでは予測している。

国内データベース/データアナリティクスプラットフォームソフトウェア市場売上額予測・2013年~2018年(出典:IDC Japan、2014年8月)

 同市場調査は、データウェアハウス(DWH)マネジメントプラットフォーム市場、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール市場、位置/空間情報分析ツール市場、コンテンツ分析ツール市場の4つに分類して行われた。IDCによると、全体の90%以上がDWHマネジメントプラットフォーム市場とBIツール市場で構成されているという。4つの製品市場のうち最大の売上額となったのが、DWHマネジメントプラットフォーム市場の645億円(前年比成長率7.3%)で、これにBIツール市場468億円(前年比成長率6.3%)で続いた。

 IDCは、データ分析基盤の統合やビッグデータ関連ビジネスの盛り上がりが市場を牽引し、好調に推移したと見ている。また、2018年の市場規模を1723億円、向こう5年間のCAGRを7.3%と予測した点については、ビッグデータ分析のビジネス活用への期待は高まっており、非構造データの活用やインメモリー技術を用いた高速な分析基盤といった新技術の影響によって、市場が高い成長を中期的に続けていくことが見込まれるとしている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は、先進的なユーザー企業がデータ分析を活用したビジネス改善の事例を実現している一方で、多くの企業の内部には過去の開発の中でアプリケーションごとに個別に構築された分析環境や海外拠点の分析基盤、買収などに伴う企業統合などでサイロ化した環境を抱え課題となっている点を指摘。そのうえで、「データベース/データ分析プラットフォームソフトウェアベンダーには過去の分析基盤やデータなどの資産を適切に棚卸したうえで、全社に跨ってより高度な分析を実現する基盤の提案が求められている」と提言している。

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内データベース/データアナリティクスプラットフォームソフトウェア市場 2013年の分析と2014年~2018年の予測」(J14430105)で詳細が報告されている。

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