[市場動向]

ノベル、バックアップアプライアンス「PlateSpin Forge」の最新版をリリース

2014年8月28日(木)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)

ノベルは2014年8月28日、バックアップアプライアンス「PlateSpin Forge」のハイエンド機種「700シリーズ」を発表した。ハードウェアリソースを増強し、1台でより多くのシステムをバックアップできるようにした。

河合社長ノベルの河合哲也代表取締役社長

 今回は、新たにハイエンド機種「700シリーズ」を投入した。従来機種よりもハードウェアを増強。具体的には、CPUを8コア8スレッドから16コア32スレッド、メモリーを32GBから128GBに拡張、ストレージは4TB(RAID5)から20TB(RAID6)に増やした。ハードウェアの増強により、ユーザーは2つのメリットを得られる。

 1つは、バックアップ数の増加。700シリーズはバックアップできるシステム数の上限を100に増やした。これは、従来機種500シリーズの4倍にあたる。従来は、バックアップ対象とするシステムの数が多い場合に、アプライアンスを何台も導入する必要があり、一部のユーザーから改善を要望されていたという。

 もう1つのメリットは、縮退運用時(後述)のサービスレベルの向上だ。障害発生時にアプライアンスでシステムを縮退運用する際、より多くのリソースを割り当てられるようにした。従来機種と比べて、サービスレベルの低下を少なくできる。

700シリーズ今回発表したハイエンド機種「PlateSpin Forge 700」シリーズ

 700シリーズの投入に加えて、各シリーズのソフトもバージョンアップした。最新版は、バックアップ対象OSを拡張。Windows Server 2012 R2と、Windows 8/8.1、MSFCクラスターを加えた。また、アプライアンス内の仮想ホストOSをVMware ESXi 5.5にバージョンアップ。フェールバック先にもESXi 5.5を選択できるようにした。

 従来は、主に中小企業向けに販売してきたが、今後は700シリーズを前面に立てて、大企業、中堅企業への販売にも力を入れる。サービスプロバイダー向けにPaaSインフラとして提供することも視野に入れる。700シリーズの市場推定価格は756万円から。今後1年間の販売目標額は5億円。従来の2倍以上に当たるとしている。

 PlateSpin Forgeは、システムのバックアップアプライアンス。アプライアンス内で仮想環境を運用し、バックアップ対象のサーバーごとに仮想マシンを用意する仕組みを採る。仮想マシンにOSやアプリケーションをまるごとコピーするため、代替ハードウェアを用意すれば、素早くシステムをリストアできる特徴を持つ。

 縮退運転機能も備える。本番サーバーに障害が発生した場合、バックアップしたシステムをアプライアンス上で運用できる。ハードウェアの制約から本番サーバーと同等のパフォーマンスを維持するのは難しく、サービスレベルは調整する必要があるものの、復旧用のハードウェア環境が整うまでの期間も、システムを運用できる。

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