クレハは、電子りん議や人事管理といった社内システムをタブレット端末から利用するリモートアクセス環境を構築した。画面転送技術を用いることにより、アプリケーション改修を回避。既存システムを低コスト・短期間でモバイル対応させた。サービスを提供する富士通が、2014年10月8日に発表した。
同社は10年ほど前から、営業部門を中心としたモバイル活用によるワークスタイル変革を推進。外出先でノートPCやスマートフォンを使って社内メール・予定表を確認できるリモートアクセス環境を運用してきた。
こうした取り組みが定着する一方で、新たなニーズが高まっていた。電子りん議や人事管理といった社内業務システムを、タブレットから利用したいという声が社員から寄せられていた。
しかし、PC向けのWebアプリケーションとして開発された業務システムをタブレット向けに改修するのは作業負荷の兼ね合いから二の足を踏んでいた。開発や検証に大きな工数や費用が発生するからだ。セキュリティ対策も検討する必要があった。
そこで同社は、アプリケーションを改修せずに既存システムをタブレットで利用可能にする済む方法を検討。画面転送技術を用いたリモートアクセス環境の構築を決めた。
新システムは、富士通のマネージドサービスを利用して構築した。富士通のデータセンター内にある仮想Webブラウザを介して、社内システムの画面をタブレット上の専用アプリケーションに画面イメージとして転送して表示する仕組みである。利用者は、この画面から業務システムをタッチ操作で利用できる。ExcelやPowerPointなどのドキュメントファイルも閲覧可能。
画面転送型であることから、端末に業務データは残らない。このため、盗難・紛失時の情報漏えいを防げる。さらに、ID認証に加えて端末の機体認証を採用。あらかじめ許可されていないデバイスからの接続を防止する仕組みにより、セキュリティを確保した。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | クレハ |
業種 | 化学 |
導入システム | リモートアクセス、画面転送 |
導入目的 | ワークスタイルの変革 |
主な利用製品 | 「FENICSⅡ ユニバーサルコネクト アプリケーションブリッジサービス」 |