車載機器の製造大手であるアルパインは、タイの販売拠点の基幹システムをERPを用いて刷新した。導入を支援した日立ソリューションズが、2014年12月17日に発表した。
世界17カ国に50以上の拠点を持つ同グループはこれまで、約10年をかけて主要海外拠点にSAPのERPパッケージを用いた基幹システムを導入。グローバルの経営基盤強化を進めてきた。
その一方で、アジア・パシフィック地域におけるシステム標準化は立ち遅れていた。大規模なIT投資は難しいため、各拠点はそれぞれ個別に販売管理や会計システムを構築し、業績数値を管理・集計していた。このため、各拠点の経営状況を本社がリアルタイムに把握することが難しかった。品目を管理するためのコード体系や分析のためのコード体系が統一されていなかったため、集計のたびにデータを手直しする作業が拠点に発生するという問題もあった。
そこで、主要な拠点へのERP導入を完了させたのを機に、アジア・パシフィック地域における基幹システムのあり方を検討。同地域を統括するタイの販売拠点に中堅向けERPパッケージ「Microsoft Dynamics AX」を導入し、本社が利用する基幹システムとの2層構造で運用する方針を固めた。
2014年4月に稼働した新システムにより、アジア・パシフィックの売上や利益推移を本社がリアルタイムに把握できるようになった。すでに、意思決定のスピードが大幅に向上する効果が出ている。
新システムの導入に合わせてコード体系を全社統一した効果も大きい。拠点における集計作業の負荷軽減を実現できた。
本社をはじめ主要拠点で稼働するERPパッケージとの連携機能を備える点を評価し、日本マイクロソフトのパッケージソフトを採用した。今後は、今回をモデルにインドや中近東の拠点にプロジェクトを横展開していく。
グループの情報システムカンパニーであるアルパイン情報システムが構築・導入を担当。日立ソリューションズが支援した。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | アルパイン |
事業内容 | 車載機器製造 |
導入システム | 販売管理・会計システム |
導入目的 | 経営判断の迅速化、業務効率化 |
主な利用製品 | 「Microsoft Dynamics AX」 |