勤怠管理SaaSを提供するネオレックスは2015年2月13日、クラウドサービスの活用に関する調査結果を発表した。20~60代の企業の情報システム担当者100人を対象に、クラウドの利用にあたっての不満・不安などを尋ねている。
調査を実施したネオレックスは、名古屋市に本拠を置き、勤怠管理SaaS「バイバイ タイムカード」を開発・提供するクラウドサービスベンダーである。図1は、情報システム担当者がクラウドサービス導入前に不安視する点と、現場の社員がクラウドサービス導入後に不満に思っている点を比較した結果である。
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図1が示すように、現場の社員が一番不満に思っているのは「動作速度」だった。これに対し、情報システム部門が「動作速度」を不安視する順位は4位にとどまる。クラウドを利用する立場と、導入する立場では何を重視するのかに明確な違いがあることが分かる。
また、「操作性」は、現場の社員が2番目に不満に思っているのに対し、情報システム部門は6番めに不安視している。「サポート」については、現場の社員が3番目に不満に思っているのに対し、情報システム部門は5番目に不安視しているという結果だった。
こうした結果から、情報システム部門は、クラウド導入にあたり、現場の要望を必ずしも受け入れないまま選定しており、パフォーマンスや使い勝手の面では、導入前に見落としがちな項目が多いといった状況がうかがえる。
一方、情報システム部門が一番不安視するのは「コスト」だった。これに対し、現場の社員がコストを不満に思う順位は4位にとどまる。
「セキュリティ」については、情報システム部門が2番目に不安視しているが、現場の社員は7番めに不満に思うという結果だった。情報システム部門は、データ漏洩のリスクに留意するものの、現場の社員はセキュリティに対する意識は低いようだ。
以下は、情報システム部門がクラウド導入時に不安に思うこと(図2)、現場の社員がクラウド導入後に不満に思うこと(図3)を調べた結果である。
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情報システム部門が、コストやシステム停止のリスクなどを気にする割合が高いのに対し、現場の社員は、利用時の操作性やサポート体制などを気にする割合が高かったことが分かる。