横河電機グループのITサービス会社あるYDCは2015年4月22日、データベース災害対策ソフトウェア「Standby Express」の最新版の出荷を開始したと発表した。データの暗号化や帯域制御などの機能を高めた。
Standby Expressは、本番稼働しているデータベースの内容を定期的に差分バックアップしておき、災害発生時には、予備のデータベースを本番使用可能な状態に数分程度で切り替えるためソフトウェア。バックアップ専用のソフトウェアやハードウェアを不要にし、RTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)の最小化を図る。
最新の「Ver.5」では、セキュリティを強化した。本番機から予備機へ転送するデータをAES(Advanced Encryption Standard)方式で暗号化する。ネットワークを効率的に利用できるよう、従来のデータ圧縮機能に加え、帯域制御機能を搭載した。ネットワークを利用する他のシステムへの影響を軽減できる。
顧客データを削除するといった誤操作を起こした場合は、予備機側にある削除前のデータを使用して業務を継続できる「遅延適用機能」が利用できる。遅延適用の間隔は自由に設定/変更できる。
事前に用意したユーザー任意のプログラムを、データベースの転送や切り替えなどのタイミングで実行できる。例えば、データベースに加え、テキスト/画像/Office文書などもユーザーが作成したプログラムで同期するなど、ユーザー個別のシステムに合わせた災害対策/バックアップ環境を構築できる。
Standby Express Ver.5の価格は110万円から。初年度200システムの販売を見込む。