[新製品・サービス]
日本IBM、ストレージから管理機能を切り出したSDS「Spectrum Storage」新製品を2015年6月に提供
2015年5月18日(月)河原 潤(IT Leaders編集部)
日本IBMは2015年5月18日、Software Defined Storage(SDS)に基づく新しいストレージ管理ソフトウェア製品ファミリー「IBM Spectrum Storage」に関する説明会を開催し、6月29日に新製品「Spectrum Control Storage Insights」を国内で販売開始すると発表した。新製品はオンプレミスで運用するストレージ基盤に対し、データ管理機能をクラウドサービス(SaaS)として提供するもの。
Spectrum Storageファミリーの構成
「ハードウェアに縛られずに、多様なデータの柔軟に連携したり、最適な配置を実現したりできる環境が、我々の考えるSDSだ。Unbox、つまりストレージ機能のソフトウェア化によって、ユーザーが環境や用途に応じて最適なデータ基盤を選べるよう幅広い選択肢を用意する」(日本IBM IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ストレージセールス事業部長の波多野敦氏)
波多野氏の言う幅広い選択肢は、Spectrum Storageファミリーの各ストレージ管理ソフトウェア/サービスと組み合わせるハードウェアの数だけ存在する。図2にあるように、全体のコントロールを「Spectrum Control」(運用監視・管理機能)と「Spectrum Protect」(バックアップ機能)が司る。
そして、SANストレージを組み合わせる場合は「Spectrum Virtualize」を、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズやシスコシステムズ、ネットワールドなどIBMパートナー製のIAサーバーやコモディティのIAサーバー、あるいはIaaS(SoftLayer)と組み合わせる場合は、「Spectrum Accelerate」(XIVと同等の管理機能、図3)、「Spectrum Scale」(分散共有ファイルシステム)、「Spectrum Archive」(テープストレージ管理機能)を用途に応じて利用する仕組みだ。
拡大画像表示
拡大画像表示
アナリティクスクラウド「Storage Insights」も提供へ
2015年6月には、同ファミリーの新サービスとして、上述のSpectrum Controlのアナリティクスクラウドサービス「Spectrum Control Storage Insights」が選べるようになる。SaaSとして提供される同サービスを用いることで、高度な分析結果に基づいてデータ/ストレージ管理の最適化を図れるようになるという。また、2015年後半には、複数のクラウド間でセキュアにデータの動的移動を可能にする「Multi-Cloud Storage Gateway」サービスのリリースも予定されている。
Spectrum Storageファミリーのライセンス/利用料金は顧客の環境に応じて設定され、新サービスのSpectrum Control Storage Insightsの料金については現在、社内調整中という。なお、日本IBMは、同社が“XIV as Software”と呼ぶSpectrum Accelerateの提供後も、従来のオールインワン製品のXIVも引き続き販売していく。