大分県庁は、全職員1万2000人を対象とする情報共有基盤を刷新し、2015年4月から本格活用を始めている。採用された製品の開発元であるサイボウズが2015年8月25日に発表した。
自治体業務を効率的に進めるため、大分県庁はかねてからグループウェアを活用していた。しかし、アクセスが集中する始業時や昼休み直後のレスポンス低下が顕著となり、業務に支障をきたしていた。また、電子メールについては、ユーザー1人あたりの容量上限に達することが頻発し、個人が必要なメールやファイルを選別してローカルPCに保存しなければならないという手間が発生していた。こうした問題を抜本から解決する策として、情報共有基盤を刷新することとなった。
製品選定のフェーズでは、以下の点が主な検討/評価のポイントとなった。(1)アクセス集中時にも一定のレスポンスを確保できること、(2)メールの容量制限の問題をクリア、もしくは補完する機能があること、(3)他の業務システムを対象にシングルサインオンが実現できること、(4)他の業務システムの情報を適宜集約して表示するポータル機能を実現できること──などだ。
新たに導入したのは、サイボウズの大規模ユーザー向けグループウェア「ガルーン」。庁内の職員同士の報告/連絡/相談やファイルのやり取りについては、同製品が備える「メッセージ」機能を活用、庁外の人とのコミュニケーション手段としてのみ電子メールを使う運用に変更し、たびたび容量制限に達してしまう問題を回避した。また3カ月の事前検証において、シングルサインオンもポータル表示も要望通りに実装できたことから本格的な実務運用に踏み切ることにした。
組織横断的なプロジェクトでの議論活性化や情報共有が進むなど、すでに一定の成果をあげている。今後は、テレワークでの活用を視野に、より一層の業務生産性向上を図るとしている。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 大分県庁 |
事業内容 | 自治体 |
導入システム | 情報共有/コミュニケーション基盤 |
導入目的 | 円滑な情報共有による業務生産性の向上 |
主な利用製品 | サイボウズ ガルーン |