日立製作所は2015年9月17日、独SAP製のインメモリーデータベース「SAP HANA」を対象にした垂直統合機に小型モデルを追加し、9月30日から出荷すると発表した。ラックサーバー単体でSAP HANA環境を構築でき、中小規模システムや開発/検証環境として販売する。
追加する小型モデルは「Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA HA8000/RS440モデル」。SAP HANAの認定を取得した構成で、基本設定を済ませた状態で提供する。SAP製ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアを使った業務システムや、DWH(Data Warehouse)用ソフトウェア「SAP Business Warehouse」と組み合わせた高速データ分析システムなどを短期に立ち上げるためのプラットフォームに位置付ける。
RS440モデルは、4Uのラックサーバーで構成され、CPUはインテルの「XeonプロセッサーE7-8800v3」を、ストレージはSAS(Serial Attachment SCSI)HDDを搭載する。2プロセサ構成の「Sモデル」と、4プロセサ構成の「Mモデル」がある。メモリー容量は、ビジネス規模や処理するデータ量に応じて選択・追加できるほか、SモデルからMモデルへのアップグレードもできる。
ディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform」との連携が可能である。全データを保管することで、開発から検証、本番環境へ効率的にシステムを拡張できる。同社のストレージの機能「True Copy」を使えば、メインサイトの更新と同期してリモートセンターにデータを転送するDR(Disaster Recovery:災害対策)環境を構築できる。
Sモデルの最小構成価格は775万8000円(税別)から。搭載するソフトウェアや関連サービスは個別見積もりになる。