IDC Japanは2015年11月4日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場の2015年上半期(1月~6月)市場動向の調査結果・分析と、2015年~2019年の推移予測を発表した。同市場は、IP音声プラットフォームやファイル同期/共有ソフトウェア製品などが好調を維持し、前年同期比で5.6%増となった。
IDC Japanでは、ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場を、「IPテレフォニー市場」「コラボレーティブアプリケーション市場」「IPコンファレンスシステム市場」「IPコンタクトセンターシステム市場」の4つのソリューション市場に分類している。
4つの市場分類を合算した2015年上半期の国内UC&C市場規模は、前年同期比5.6%増の1237億2400万円。IDCによると、2014年から継続している企業の音声プラットフォームリプレース需要が好調に推移し(IPテレフォニー市場が前年同期比3.3%増)、特に大規模音声システムリプレースが好調だったという。
コラボレーティブアプリケーション市場も前年同期比14.0%増となっている。これは、PCやモバイルデバイス間でファイル同期や複数デバイス間でのファイル共有を可能にするクラウドサービス「ファイル同期/共有ソフトウェア市場」の好調やクラウド型コラボレーティブアプリケーションの成長に支えられたかたちだ。
また、IPコンファレンスシステム市場では、ビデオ会議システムの価格低下とWeb会議サービスの好調によって、2015年上半期は前年同期比2.2%増となっている。IPコンタクトセンターシステム市場については、市場のSaaSへのシフトや小型システムの増加によって成長率が減速、前年同期比2.1%増にとどまっている。
上記の調査結果から、2015年通年の国内UC&C市場規模について、前年比3.4%増の2365億5600万円に達すると予測している。また、同市場における2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.1%で成長し、2019年には2666億3900万円の規模になると見積もっている。
国内UC&C市場の動きについてIDCは、「第3のプラットフォームへのシフトが顕著になっており、特にクラウドをベースとしたサービスへのシフトが活発化している」(同社)と分析。IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ グループ マネージャーの眞鍋敬氏は、「ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者は、ユーザー企業のIT投資動機の変化に応じたマーケティング戦略の改革、UC&Cシステムのクラウドファースト戦略を加速するべきである」と提言している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション市場 2015年上半期までの実績と2015年~2019年の予測アップデート」(J15440108)で詳細が報告されている。