アイ・ティ・アール(ITR)は2016年1月6日、RDBMS、DBMSアプライアンス、データ分析/レポーティング、DWH(データウェアハウス)用DBMS、データ・マイニング、テキスト・マイニングの6分野を対象にした市場/ユーザー動向調査の概要を発表した。データ分析/レポーティング製品については運用コスト削減の機運から6割近い企業がリプレースを検討しているという。
ITRが発表した調査概要は、ITベンダーとユーザーアンケート調査を元にデータ分析/レポーティング分野の動向を分析した「ITR Cross View:DBMS/BI市場の実態と展望2015 ~ユーザー調査と市場調査結果~」(2016年1月6日発行)から特徴的な調査結果をピックアップしたもの。
調査では、ユーザー企業に、現在利用中のデータ分析/レポーティング製品/サービスに関してリプレースの予定について問うている。その結果を見ると、2015年度または2016年度にリプレースを予定しているユーザーが36.1%と高く、中長期的なリプレース予定/検討中も含めると6割近い企業がリプレースを検討していることが明らかになった(図1)。
また、データ分析/レポーティング製品のリプレースを予定または検討する理由としては、「運用コストが高い」という回答が26.2%で最多となり、「ベンダーのサポートが悪い」「操作性が悪い」が続いた(図2)
多くの企業がリプレースを検討している背景に、タブローソフトウェアの「Tableau」やクリックテックの「Qlik Sense」といった、視覚化、容易な導入/操作性に特徴を持つBI製品の台頭があるとITRでは見ている。「これらの製品は、従来の分析の専門家だけでなく、一般の従業員が利用できるように操作性の向上を図った製品で、他のベンダーも追随する製品の投入が続いている」(ITR)
また同社は、データをクラウド上のシステムへの移行が進み、データ分析/レポーティングの処理についても、SaaSを利用する企業が増えつつあることも、リプレース検討の要因となっていると指摘している。