2016年3月の3本:ANAが国内線で大規模システム障害/NTT Comが企業向けクラウドを強化/JUAS調査で経営層の情報セキュリティ関与はまだまだ
2016年4月7日(木)松岡 功(ジャーナリスト)
2016年3月のニュースから松岡功が選んだのは、「全日空の大規模なシステム障害」「NTTコミュニケーションズのクラウドサービス強化」「JUAS最新調査、経営層の情報セキュリティへの関心度」の3本である。
全日空が国内線の旅客管理で大規模なシステム障害
全日本空輸(ANA)の国内線で3月22日、旅客管理システムに大規模な障害が発生した。ANAが就航する全国49空港で搭乗手続きなどができなくなり、同日にANAだけで146便が欠航し、391便に遅延が生じた。翌23日も2便が欠航した。これらにより約7万2100人の利用客に影響が出た。加えて、ANAのシステムを使う提携航空会社5社でも合計で38便が欠航し、142便に遅延が生じた。
このシステム障害の原因についてANAは3月30日に、ネットワーク機器の故障だったと発表。国内線システムの4台のデータベースサーバーをつなぐスイッチが故障し、予備のスイッチへの自動切り替え機能も働かなかった。再発防止のため、スイッチの状態を監視する機能を強化した。
選択理由
社会インフラの1つである交通のシステムに大規模な障害が起こると、どれだけの影響が及ぶのかを改めて目の当たりにしたからだ。4月1日には日本航空(JAL)でも機体の重量バランスなどを計算する「重量管理システム」で障害が発生し、国内線で欠航や遅延が発生している。
ANAの国内線旅客管理システムは2013年2月にメインフレームからオープンシステムに切り替え再構築している(関連記事)。今回の障害は、再構築後、初めての大きなトラブルになってしまった。旧システムでは2007年5月に大規模な障害が発生しており、その際の原因もスイッチの不具合だったという。
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システム障害 / JUAS / NTTコミュニケーションズ / 全日本空輸