今や企業のマーケティング活動の主流はデジタルマーケティングとなっている。Webを介して収集した顧客情報をどのように活用するかが、企業のマーケティング活動の成果を決める。マーケティング自動化(MA)ツールを提供するMarketo(マルケト)は2016年4月13日、オーディエンスデータをコアとしたデータマネジメントプラットフォーム(DMP)を提供するインティメート・マージャーとの連携サービスを発表した。マーケティングの活用により、広告配信の精度を高めるのが目的だ。
インティメート・マージャーは、約4億のユニークユーザーと国内最大級のオーディエンスデータを保有するDMPを運営する。オーディエンスデータとは、Cookie(クッキー)情報をもとにしたWebサイトの訪問履歴やユーザーIDから、行動の傾向などが紐づけされた、個人が特定されていない「人」データのこと。ターゲティング広告などに多く活用されている。
マルケトとインティメートのDMPが連携することで、ターゲットとなるセグメントを特定しながら、複数の広告配信チャネルを活用した広告配信が可能になる。また、DMPのオーディエンスデータとマルケトの顧客データベースをCookieでマッチングすることも可能だ。これにより、想定顧客の行動分析が可能となる。
例えば、マルケトの顧客データベース中の特定の顧客について、インティメートから同じ特徴を持つ想定顧客をマッチングする。その想定顧客の広告に対する行動を分析することで、マルケト側の顧客の行動予測が行える。この予測に基づいて広告配信を行えば、成果に結びつく可能性が高まるというわけだ。
デジタル広告には、導きたいWebサイトへの「ラストクリック」だけを評価するのではなく、そこに至るまでの過程となっている様々な接点・アクションも広告効果として評価しようという「アトリビューション」という考え方がある。つまり、どのようなWebサイトや広告を経てきたかがわかれば、ラストクリックに至らせることのできる可能性がより高くなるという考え方だ。マルケトとインティメートの連携では、その広告アトリビューションが自社のマーケティングに活用できるようになるとしている。
今回の連携ソリューションは、マルケトのパートナーエコシステム「LaunchPoint」から提供される。LaunchPointは、マルケトがカバーできていないマーケティング関連領域を補完するソリューションを持つパートナーとのエコシステムで、グローバルで250以上のソリューションが参加している。ユーザーはこのような連携サービスを、マルケトのマーケットプレイスである「LaunchPoint.com」サイトから購入できる。
インティメート・マージャーは、国内7製品目のLaunchPointとなる。他の6製品は、日本オプロの「OPROARTS」、ウイングアーク1stの「MotionBoard」、サンブリッジの「SmartVisca」、トレジャーデータのBIツール、メガ・トレードのWebサービス、サイバーエリアリサーチの「どこどこJP for Marketo」。