静岡新聞社は、記者がスマートフォンから記事を入稿する仕組みを整えた。クラウド型のモバイル活用基盤サービスを活用し、既存の電子組版システムと連携させることで約4カ月の短期リリースを果たした。プロジェクトを支援した富士通が2016年4月6日に発表した。
ニュースの速報性でしのぎを削るメディア各社。静岡新聞社は従来から、記者に専用ノートPCを配布し、本社の新聞電子組版システム(CTS)にVPN経由で入稿する体制を整えていた。もっとも、デジカメで撮影した現場写真のPCへの取り込みなど、手間のかかる作業があり、これらを合理化することが課題だった。
今回リリースした新システムは、取材の日程管理、記事作成、写真撮影、新聞CTSへのデータ入稿という一連の作業を、すべてスマートフォンで完結させるもの。記者がフットワークよく取材に回り、現場から速やかに記事を送ることを支援する。
既存の新聞CTSにモバイル対応機能をネイティブに付加するとなると、スクラッチ開発がどうしても必要となり、コストも時間もかかる。そこで同社は、スマートデバイスを業務システムで使うのに必要な機能を備えたクラウドサービスを活用。新聞CTSとはAPI連携する形を採用し、短期リリースを実現した。
採用したクラウドサービスは富士通の「FUJITSU Cloud Service MobileSUITE」で、ユーザー認証、アプリ/コンテンツ管理、端末管理、APIゲートウェイなどの機能がある。この基盤にてモバイルアプリを開発し、バックエンドの新聞CTSと連携させた。開発に要したのは約4カ月という。
「MobileSUITE」には、1人ひとりの端末利用状況を把握したり、盗難・紛失時にリモートロック/ワイプする機能もあり、運用管理の負荷を抑える効果も見込める。静岡新聞社は今後、音声での記事入力や、ニュース発生位置情報の送信などの機能強化も視野に入れている。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 静岡新聞社 |
事業内容 | 報道メディア事業 |
導入システム | スマートフォンによる記事入稿システム |
導入目的 | 取材計画~組版システムへの入稿という記事作成に関わる一連の作業をスマートフォンで完結させ、ニュースの速報性を高める |
主な利用製品 | 「FUJITSU Cloud Service MobileSUITE」(富士通)上でモバイルアプリを開発、基本の新聞電子組版システムとAPI連携させる |