あらゆる業界でビジネスのデジタル化が叫ばれる中で、取り組みが遅れたのが老舗の金融機関である。伝統だけでは顧客からの信頼を得られないのが今。英米の2つの老舗金融機関はいかにしてデジタル化に着手したのか。2016年3月に米ラスベガスで開催された「Adobe Summit 2016」のセッションから両社の取り組みを紹介する。
RBSが仕掛けた“クラブDJ”型デジタルマーケティング
RBSが注力するのは、カスタマーエンゲージメントの強化だ。施策として2014年から「SuperStar DJ」プログラム(写真3)を実施する。SuperStar DJは、行内の組織を横断して結成されたデジタルマーケティング集団および戦略を指す名称。クラブのDJのように、利用者を飽きさせることなく最適なコンテンツを流し続けることで、顧客体験を向上させるねらいがある。最終目的は新規顧客獲得だが、「データ分析によって得られた顧客の行動データなどを蓄積し、新規サービスの開発に生かす」(RBSデジタルアナリティクス統括のギレス・リチャードソン〈Giles Richardson〉氏、写真4)という。
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【次ページ】FinTech系企業などに「警戒しつつ学ぶ」
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