日立製作所と投信コンサルティング会社の三菱アセット・ブレインズは2016年10月13日、主に投資や資産運用の初心者を対象として投資信託(投信)の運用アドバイスを行う、ロボアドバイザーサービスを共同開発したと発表した。日立が国内の金融機関を対象に販売し、目標金額やリスク許容度などに応じて、適切な投資プランの提案を行う。
「投資信託販売支援ロボアドバイザーサービス」は、資産運用分野におけるFinTechサービスの1つで、高度な資産運用サービスを気軽に利用できるようにするものである。利用者のニーズに沿った金融商品の提供を支援する。
利用者が、目標資産額や毎月の積立可能額、投資リスクの許容度、投資意向などに関する簡単な質問に対して、金融機関の専用Webページ上で回答を入力することで、適切な資産運用ポートフォリオと予想資産残高のシミュレーション結果、これに対応する投信商品の組み合わせ、投資リスクの分布状況といった情報を提示する。インターネットバンキングサービスと連携させることで、提示した投信商品の販売Webページへ利用者をスムーズに案内できるほか、詳しく相談したい利用者向けには店舗への来店予約Webページへ案内する機能も備えている。
投資や資産運用の経験がない利用者にも興味を持ってもらえるように、Webページのデザインに親しみやすいレイアウト、フォント、色使いを採用している。利用者は、Web画面上のイラストをクリックすることで、目標資産額・年齢・資産形成の目標年齢・毎月の積み立て可能額・初期投資金額など、必要な情報を簡単に入力できる。
資産運用のアドバイスや分散投資の重要性など資産運用に関する基礎知識を、わかりやすい形式で提供することで、利用者の心理的ハードルを下げられる。具体的には、投信のアセットクラス別・通貨別・投資地域別の分析データや投資リスク、期待リターンなどをグラフィカルに表示し、適切な資産運用方法を提案する。
投資信託販売支援ロボアドバイザーサービスの提供は2017年1月に開始する。価格は個別見積になる。
なお、日立はインターネットバンキングサービスと連携するためのインタフェース開発を担当した。ロボアドバイザーのエンジンは、三菱アセット・ブレインズが設計し、同社の投信アナリストの知見に基づいた投信分析データを活用する。
両社は今後、インターネットを活用する同サービスと対面販売に利用する預かり資産営業支援システムの相互連携を行うなど、投信販売のオムニチャネル化を図るとしている。