VAT還付をご存知だろうか。欧州への海外出張で使った費用が還付される仕組みのことで、すべてのEU加盟国が採用している。しかし実際には手続きが面倒なため、ほとんどの企業が還付を請求していないのが現状だという。出張・経費精算システムを提供するコンカーは、パートナー企業との連携サービスで簡単にVAT還付を受けられる仕組みを実現している。そのほかにも、出張にまつわる様々なサービスが、コンカーをプラットフォームとして次々と自動化・一元化されつつあるという。
BPOとの組み合わせで膨大な経費を節減
コンカーの国内連携サービスの中には、出張・経費業務の徹底的な省力化・自動化を実現する、BPO(Business Process Outsourcing)と組み合わせたサービスもある。2015年9月に、国内初のコンカーBPOパートナー契約を結んだNTTデータ・スマートソーシングとの「クラウド型 出張・経費管理業務BPOサービス」だ。
同社の和田泰之社長は「ビジネスマンが経費精算に掛けている生涯時間は52日間、人件費は144万円といわれている。コンカーによる省力化に加え、経費精算に関係する間接業務をわれわれが代行することで、その膨大な時間とコストが節約できる」と連携サービス提供の狙いを語っている。
2015年4月に施行された改正e文書法では、紙での保存が義務だった領収書を、電子データで保存することが可能になった。これで紙の領収書をのりで貼りつけるという前時代的な作業からは解放されたものの、精算時に領収書の金額を入力する必要は依然として残った。これをBPOとして入力代行するのが、出張・経費管理作業BPOサービスのひとつだ。担当者に代わって人手で入力するため、ミスも少ない。
出張精算については、2016年7月に提携を発表した、JTBビジネストラベルソリューションズ(JTB-CWT)の出張手配、出張管理コンサルティングを組み合わせたサービスにより、出張経費の大幅な削減を支援する。
JTB-CWTの出張管理システム「B+PLUS」は、国内外の出張のための航空券やホテル代、あるいはツアーパッケージの手配をBPOとして行い、出張経費の妥当性を分析、改善するコンサルティングサービスだ。
このB+PLUSをコンカーと連携、NTTデータ・スマートソーシングの入力代行サービスを組み合わせることで、出張手配から出張費精算までの一連の処理がワンストップで行えるだけでなく、最適なコストでの出張が可能になる(図)。
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和田氏は「コンカーのプラットフォームとしてのポテンシャルの高さに、可能性を感じている」という。今後、NTTデータ・スマートソーシングがコンカーでは自動化できなかった部分をカバーするというビジネスモデルを、さらに拡大させていく方針だ。