[市場動向]

日本マイクロソフトの樋口泰行会長が2017年3月末に同社を退職、古巣パナソニックで新設の社内カンバニー社長に

2017年3月1日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

日本マイクロソフトは2017年2月28日、樋口泰行会長が2017年3月31日付けで同社を退職し、パナソニックの専務役員および社内カンパニー、パナソニック コネクティッドソリューションズ社長に就任することを発表した。当初樋口氏は会長退任後、日本マイクロソフトの顧問に就任する予定だったが、新たな職務に専念するため同社を退職することになった。樋口氏は1980年、新卒で当時の松下電器産業に入社している。

写真1:日本マイクロソフトの樋口泰行氏

 日本マイクロソフトの発表によると、樋口泰行氏(写真1)は2017年3月31日付けで執行役員会長を退任し同社を退職、4月1日付けでパナソニックの専務役員に就任する。新職に専念するため、当初予定していた日本マイクロソフトの顧問就任はなくなった。

 また、パナソニックの発表によると樋口氏は4月1日付けで、同社の社内カンパニーであるパナソニック コネクティッドソリューションズ社の初代社長にも就任する。

 コネクティッドソリューションズ社は、AVCネットワークス社および子会社であるパナソニック システムネットワークスの再編により4月1日に新たに設立される社内カンパニー。流通・物流、エンターテインメント、パブリック、アビオニクス(航空機内AVシステム)、製造を重点領域に、IoT(Internet of Things)ソリューションなどのB2Bビジネスを展開する。

 樋口氏は1980年に大阪大学工学部卒業後、当時の松下電器産業に入社、1992年にボストンコンサルティンググループに転籍後、1994年アップルコンピュータ、1997年コンパックコンピュータを経て2002年に入社した日本ヒューレット・パッカードの社長に、2003年に就任している。

 2005年には経営難に陥っていたダイエーの社長に迎え入れられ、ITから畑違いの流通業界への転籍で話題になった。2007年に再びIT業界に戻り2008年から会長就任の2015年までの7年間、マイクロソフト日本法人(後に日本マイクロソフト)の社長を務めた。

 今回樋口氏は、新卒採用された古巣パナソニックに再び戻ることになったが、長年に渡り外資系IT企業で経験したノウハウを、IoT時代を迎え事業再編で新たな勝負に出ようとする老舗製造業でどう活かすか注目されるところだ。

 あらゆる業種の企業にとってITが重要なポジションを占めるようになりつつあることから、この先樋口氏のようにIT業界で豊富な経験・人脈を持つ人材を採用する企業が増え、積極的な人材の流動化が進むことが考えられる。

 なお、樋口氏は6月29日付けで、パナソニックの代表取締役専務執行役員に就任することも内定している。

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