米IBMは2017年3月20日(現地時間)、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの環境全体で企業データとアプリケーションの融合を支援する新しいソフトウェアとサービス「IBM Cloud Integration」を発表した。
「IBM Cloud Integration」は、マルチクラウド環境でデータを共有可能にする。API(Application Programming Interface)を用いて、環境を問わずにクラウドサービスやメッセージング基盤、アプリケーションソフトウェアなどのビジネスデータにアクセスし、即座に利用できるようにする。
既存のインフラストラクチャーへのクラウドアプリケーションの統合や、コグニティブ製品・サービスをサポートする企業・クラウドデータとサービスへのリンク、複数のクラウドにわたってAPIを管理し、データによるクラウドサービスの拡充、新しいパートナーの獲得や新しい市場への拡大を可能にする機能を搭載している。
例えば、オンライン小売業者は、クラウドの販売アプリケーションと在庫アプリケーションのデータを、それらが存在する場所を問わずに統合できる。このデータと第三者の市場追跡サービスなどほかのパブリッククラウドサービス上に存在する情報を組み合わせ、どのような傾向があるのか、どのくらい迅速に既存の在庫を活用し将来の購入に備えることができるかについて精度の高い予測を得られるようになる。
またIBMは、ユーザーが既存のITインフラにあるデータとサービスを、パブリッククラウド環境やプライベートクラウド環境で管理する「IBM Cloud Product Insights」「IBM Digital Business Assistant」「IBM Cloud Automation Manager」を発表した。
IBM Cloud Product Insightsは、新しいハイブリッドクラウド機能をIBMソフトウェア製品まで拡大して、IT管理者やキャパシティープランニングの担当者が共通のダッシュボードで使用状況メトリックを表示・追跡・レポートできるようにする。
IBM Digital Business Assistantでは、ハイブリッドクラウド、データ・機械学習、プロセスの自動化を統合して、複数のクラウドにわたる複雑な状況を監視したり、対策が必要な状況でのユーザーへの警告や、自動化、過去の情報を学習し最善の行動を推奨したりできる。
IBM Cloud Automation Managerでは、アドバイザーとして「Watson」を利用して情報に基づく意思決定を行い、自動化したプロビジョニング、オーケストレーション、およびガバナンスによってマルチクラウド環境を管理できる。