米FlyDataは2017年9月4日、新たに産業IoT分野と人工知能(AI)分野に参入すると発表した。2017年中に、自動車部品の検査機器から取得したデータを分析するクラウドサービス「光コムDrive」を、光コムと共同で提供する。直近では、設立済みの日本法人であるFlyDataが入る日本オフィスを、8月29日付けで東京都台東区に開設した。
産業IoT分野では、東京工業大学発のベンチャー企業である光コムと共同で、製造業における品質検査のためのデータ分析クラウドサービスを開発している。2017年中に、自動車部品メーカーの生産ラインに向けて、光コムの検査機器から取得したデータをクラウドで分析するシステム「光コムDrive」を提供する。
AI分野では、具体的なサービスは未定だが、AIの権威として東京大学松尾研究室特任准教授の松尾豊氏をアドバイザーに迎えた。松尾研究室では、AIの研究から社会実装まで一気通貫で活動を行っている。松尾氏の協力によって、AI分野における製品・サービス開発を促進するとしている。
今回の産業IoT分野とAI分野への参入にあたり米FlyDataでは、未来創生ファンド(スパークス・グループが運営)、アマノ、ニッセイ・キャピタルの3組織から、総額400万ドルの投資を受けたという。
FlyDataは従来、「FlyData Sync」と呼ぶ、クラウド型のデータ統合サービスを主軸としてきた。社内で使っているデータベース管理システムのデータを、パブリッククラウド型のDWH(データウェアハウス)であるAmazon Redshiftにロードするサービスである。社内にあるデータを活用できるようにするのが狙い。
今回、「企業のデータ活用を高度化するためには、FlyData Syncのようなデータ統合だけでは十分ではない」との考えに立ち、新たに産業IoT分野とAI分野に参入することにしたとしている。産業IoT向けなど特定領域に特化したデータ分析基盤サービスや、AIを用いたデータ加工技術を提供する予定である。