JTBグループでネット販売に軸足を置くi.JTBが組織横断的にデータを可視化・共有するための経営基盤を導入した。実績に基づくタイムリーな意思決定で商機拡大を図る。プロジェクトを支援したドーモが2017年10月2日に発表した。
秋の行楽シーズン到来。お目当ての観光地が定まった後、充実した旅程を組むために、あるいはコストを抑えるために、ネットで情報収集する人は着実に増えている。パッケージツアーひとつとってもネット上には魅力的なものが目白押しだし、店頭に赴かなくても予約から支払いまで完結できる利便性はなかなかのもの。利用者が増えるのは自然の流れであり、旅行代理店にとっても重要な販売チャネルに位置付けられている。
ただし、国内企業による有力な旅行関連サイトは多々あるし、近年はエクスペディアやプライスラインといったグローバルなOTA(Online Travel Agency)も存在感を増している。プレーヤーが多いということは一定のパイの奪い合いが激しいことを意味し、事業を営む立場からすると商材の市場評価や個々の収益性といったものを精緻にとらえて事業を回していかなければ安定成長が見込めないという構図でもある。
JTBグループの中で、オンライン販売などWebファーストの事業を手掛けているのがi.JTB(アイドットジェイティービー)だ。「JTBホームページ」や「るるぶトラベル」、さらにはコンビニエンスストアとの連携なども含めて、ネットに軸足を置いての商機拡大に余念がない。
もっとも、前述の背景はi.JTBにも共通するものであり、商材やブランドごとに、あるいはそれらに横串を刺して全社横断的に、販売実績や収益性などを把握した上で的確に判断する仕組みの整備が喫緊の課題となっていた。そこで同社は、刻々と変わりゆく事業現場の実績データを統合的かつ一元的に可視化して共有するシステムを導入。まずはマーケティング部門と経営層を中心に活用を始め、効果に照らしながら水平展開していく計画だ。ドーモが提供するクラウド型のデータ統合プラットフォーム「Domo」を採用した。