NECは2017年11月17日、米Boxが提供しているクラウド型ファイル管理サービス「Box」とNEC製品を連携させた提案型の製品・サービス群「Box連携ソリューション」5種を開発したと発表した。同日から米Boxと共同で拡販活動を開始した。NECのBox販売パートナー各社を通じた提供も行う。販売目標として今後3年間で30億円を掲げる。
「Box」は、米Boxが提供している企業向けのクラウド型ファイル管理サービスである。NECは、ユーザー企業に対して、多数のBox導入・提案実績がある。今回NECは、Boxの導入実績から得られたユーザー企業の需要をベースに、5つのNEC製品とBoxを連携させた提案型の製品・サービスを開発した。
5つの製品は、ID管理ソフト、ファイルサーバー管理ソフト、メールフィルタリングソフト、印刷管理ソフト、ルーターである。これら5製品に対し、Boxと連携するためのインターフェースを開発した形である。
提案型サービスの開始にあわせて、エンドユーザー向けのサポート窓口(24時間365日)も開設した。日本語のほか、英語、中国語など多言語対応で応対できるので、グローバル企業でも利用できるとしている。
製品名 | 価格(税別) |
---|---|
Boxライセンス | |
Box(Business Edition) | 1ユーザーあたり月額1800円から |
連携製品 | |
WebSAM SECUREMASTER | 500万円から |
NEC Information Assessment System(NIAS) | 100万円から |
Mission Critical Mail | 234万円から |
WebSAM PrintCenter V | 208万円から |
UNIVERGE IXシリーズ | 8万1000円から |
5製品の概要と、Box連携によってできるようになることとして以下を挙げている。
「WebSAM SECUREMASTER」は、ID情報や認証・認可情報の統合管理、およびシングルサインオン(SSO)を実現するソフトである。Box連携により、Boxへのログイン時の認証を強化できる。
「NEC Information Assessment system(NIAS)」は、ファイルサーバーの運用管理ソフトである。Box連携により、Boxにアップロードするファイルに個人情報が含まれていないかを事前に確認できるようになる。さらに、ファイルサーバーからBoxへのデータ移行を支援する。
「Mission Critical Mail(MCMail)」は、メールフィルタリングソフトである。Box連携により、送受信メールから添付ファイルを外してBoxへ自動的にアップロード(PDF変換、ZIPなどのアーカイブ形式の展開可)し、アップロードしたファイルのBox上のURLをメール本文に自動付与して配送できるようになる。
「WebSAM PrintCenter V」は、プリンタ・複合機の印刷運用を統合的に監視・制御する印刷管理ソフトである。Box連携により、Box上のドキュメントをダウンロードすることなく印刷できるようになる。WebSAM PrintCenter Vに登録済みのプリンタであれば、どこのプリンタからでも印刷できる。
「UNIVERGE IXシリーズ」は、VPN機能を搭載したアクセスルータである。Box連携により、Boxあての通信を、本社へのVPN接続を介することなく、各拠点のインターネット回線から直接送信させることができる。異なる経路に迂回(オフロード)させることで、Box導入後のセンター側の通信回線や通信機器の負荷増加を抑制できる。