デジタルトランスフォーメーションは、企業活動のあらゆる分野に及んでいる。営業活動も例外ではなく、従来の「足」や「人脈」を重視した、個に依存した体制から、デジタル技術を活用することで、よりスマートなものに変わろうとしている。働き方改革先進企業で知られる日本マイクロソフトは、営業活動についても新たな取り組みを始めている。
「インサイドセールス」という言葉をご存じだろうか。筆者は「コールセンターやWeb会議を使った営業の効率化のこと」と思ったが、必ずしも本質をついているとは言えないようだ。少し検索してみると数年前からある言葉であり、リモートセールスやバーチャルセールスといった類語もある。デジタルセールス、あるいはセールス・イン・ザ・クラウドという言葉もある。
まとめて言えば、デジタル技術を使った"遠隔営業"を指すようだ。米国にはThe American Association of Inside Sales Professionalsという専門家組織が存在し、「insidesales.com」というツールもあったりする(https://uk.insidesales.com/)。インサイドセールスに対して営業の主流である客先を訪問して面談するやり方は、アウトサイドセールスやフィールドセールスと呼ぶ。
それでも「今1つ、ピンとこないな」と思っていたところ、タイミング良く日本マイクロソフトから「インサイドセールスについて取材しないか」と誘いがあった。セールスといってもDynamics365 CRMではなく、米マイクロソフトが推進するインサイドセールスについてであり、日本で2017年7月に新設されたばかりのインサイドセールス事業本部の取り組みに関する話だという。
実のところ、米マイクロソフトは2016年7月に米ノースダコタ州に700人規模のインサイドセールスセンターを開設したのを皮切りに、17年2月にアイルランド、4月にはオーストラリア(シドニー)と中米コスタリカにインサイドセールスセンターを設置している。日本を含め、北米、欧州、アジア太平洋、南米と、世界各地をカバーする体制が整備されている。
だとすれば取材しない手はない。そして話を聞いてみると、営業のデジタル変革(トランスフォーメーション)という面でも、AIの業務活用という意味でも、なかなか強力な取り組みであることが分かった。
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