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日立がミッドレンジSANストレージ10モデルを刷新、重複排除はインラインと後処理を自動切換

2018年5月9日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2018年5月9日、SANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)のミッドレンジモデル(全10モデル)を刷新した。同年5月9日から順次出荷する。新版では、性能と容量削減を両立するため、インライン重複排除とポストプロセスの重複排除を自動的に使い分けられるようにした。

 「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」は、日立製作所のSANストレージである。今回刷新の対象となったミッドレンジ新モデルは、ハイブリッド構成の「VSP Gシリーズ」(G130、G150、G350、G370、G700、G900の6モデル)と、オールフラッシュ構成として価格を抑えた「VSP Fシリーズ」(F350、F370、F700、F900の4モデル)で構成する。ミッドレンジモデルの上位には、ハイエンドモデル(G1000、G1500、F1500の3モデル)がある。

写真1:Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)の外観(左はミッドレンジ最上位モデルの「F900」、右はミッドレンジ最下位モデルの「G130」)写真1:Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)の外観(左はミッドレンジ最上位モデルの「F900」、右はミッドレンジ最下位モデルの「G130」)
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重複排除はデータに応じてポストプロセス/インラインを使い分け

 VSPシリーズに新たに追加した機能としては、ストレージ内での重複排除・圧縮のやり方として、性能において有利なポストプロセス方式と、容量削減において有利なインライン方式の2つを、更新データの性質に応じて自動的に切り替えるようにした。これにより、アクセス性能とストレージ容量の削減を両立させた。

図1:ストレージ内での重複排除・圧縮のやり方として、性能において有利なポストプロセス方式と、容量削減において有利なインライン方式の2つを、更新データの性質に応じて自動的に切り替えるようにした(出典:日立製作所)図1:ストレージ内での重複排除・圧縮のやり方として、性能において有利なポストプロセス方式と、容量削減において有利なインライン方式の2つを、更新データの性質に応じて自動的に切り替えるようにした(出典:日立製作所)
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 日々の業務運用においては、いったんストレージにデータを書き込んでからキャッシュ上で重複排除・圧縮するポストプロセス方式を採用し、レスポンス性能を確保した。一方、データ移行時やバッチ処理時など大量にデータを書き込む際には、キャッシュとストレージを同期させ、まずはキャッシュ上で重複排除・圧縮し、重複していないデータだけをストレージに書き込むインライン方式を採用し、ストレージ上の一時領域を使わなくてよいようにした。

価格を下げて性能を改善

写真2:日立製作所 システム&サービスビジネス サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部 本部長の後藤照雄氏写真2:日立製作所 システム&サービスビジネス サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部 本部長の後藤照雄氏
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 このほかの改善点の1つとして、ミッドレンジの最下位モデルの価格を下げた。分速1万回転の1.8TBディスク×8台、16Gbit/秒のFCポート×4基の構成の場合、今回のエントリーモデルであるG130は、従来のエントリーモデルであるG100と比べて価格が25%下がっている。

 オールフラッシュ構成のVSP Fシリーズにおいても、容量や性能を抑えて購入し、後からこれらを拡張できるようにした。オールフラッシュ構成の最下位モデルであるF350の場合、容量面では最小4.2TBから、性能面ではF350(標準)の50%の性能から導入できるようにした。

 VSPシリーズ全体で、アクセス方法などを改善することによって、性能を改善した。これにより、ミッドレンジのオールフラッシュ構成の最上位に当たるF900では、ハイエンドモデルの1つであるG1000と比べてIOPS(1秒当たりのIO処理数)が114%に向上した。従来同等モデル比(G200と比べたG350)においても300%に向上した。

[訂正]記事中とタイトルに、ミッドレンジモデルに新たに追加した新機能として「ハイエンドモデルでしか使えなかった機能群をミッドレンジ全モデルで使えるようにした」旨の説明がありましたが、誤りです。ミッドレンジ全モデルは以前から、これらのハイエンドモデルと同じ機能群を使えていました。お詫びして訂正いたします。記事本文とタイトルは修正済みです。(2018年5月9日 18時20分)

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