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セールスフォースが小規模ライセンス「Salesforce Essentials」を追加、最大5ユーザーで1人月額3000円
2018年5月15日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
セールスフォース・ドットコムは2018年5月15日、小規模企業やスタートアップ企業に向けて、最大ユーザー数を5人までとする代わりに価格を低く抑えたエディション「Salesforce Essentials」を発表した。営業支援の「Sales Cloud」と、顧客サポート支援の「Service Cloud」の両機能を1ユーザーあたり月額3000円(税別)で利用できる。
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クラウド型の営業支援ソフトであるSales Cloudと、クラウド型の顧客サポート支援ソフトであるService Cloudの2つについて、新たに最大ユーザー数を5人までに限定した小規模企業向けのエディション(Essentials)を追加した。小規模企業は、同エディションを使うことで、ライセンス費用を低く抑えられる。
想定しているユーザーは、社員数が数名程度の小規模企業や、事業を始めたばかりのスタートアップ企業である。大企業の部門単位での導入は想定しておらず、新規のユーザー(企業)でなければEssentialsを契約できない。企業内の別部署がSalesforceの別エディションをすでに使っていた場合は、Essentialsを契約できない。
Essentials追加以前に最も安価だったエディションは、「Professional」である。Professionalは、今回追加したEssentialsと異なり、ユーザー数は無制限で、カスタム機能を追加開発することができる。Professionalの価格は、Sales CloudとService Cloudともに1ユーザーあたり月額9000円で、両機能を使う場合は1ユーザーあたり月額1万2000円である。
1万2000円相当を3000円で利用可能
今回追加したEssentialsは、カスタム開発ができない点やユーザー数が5人までに制限される点などの制約を受けるが、営業支援のSales Cloudと顧客サポート支援のService Cloudの両機能を、1ユーザーあたり月額3000円だけで利用できる。「すでにEssentialsを販売している海外地域では、社員数20人以下の企業がほとんどであり、1社あたりの平均契約ユーザー数は3ユーザー程度」(同社)である。
Sales CloudとService Cloudを別々のSKU(製品)として設定しているが、小規模向けのEssentialsエディションの場合、どちらを購入しても、両方の機能を利用できる。使い始めた時の初期画面が、営業案件を表示する画面なのか、顧客からの問い合わせを表示する画面なのかの違いだけであり、それぞれの機能を呼び出して使える。「小規模企業は1人で多くの職務を担当している」(同社)という背景に合わせた。
複数の役割を兼任している小規模企業の営業を支援
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小規模企業の課題として、同社で専務執行役員コマーシャル営業の千葉弘崇氏は、「営業が属人的であること、いくつもの役割を兼任していること、IT部門がないこと」の3つを指摘。Salesforceのアプリケーションであれば、これらの課題を解決できる、としている。
具体的な機能面での特徴として、同社マーケティング本部プロダクトマーケティングシニアディレクターの御代茂樹氏は、「チュートリアルや試験導入、オンライン学習教材などによって、購入してすぐにその日から使い始められること、AI機能を使ったインテリジェンスを組み込んでいること、成長に合わせて機能を拡張できること」、を挙げる。
Salesforceでは、AppExchangeで提供しているアプリケーションを追加することによって、機能を拡張できる。こうした追加機能には、例えば、名刺情報を取り込む機能などがある。今回のEssentialsエディションに合わせて、Essentialsを使う小規模企業に役立つ推奨アプリを紹介する専用ページを用意したという。