アシストは2018年5月16日、RPA(ロボットによる業務自動化)関連ソフトのユーザー事例の1つとして、人事業務に特化したアウトソーシングサービスを提供するレジェンダ・コーポレーションが採用業務にRPAを導入したと発表した。採用業務の自動化を皮切りに、より広範囲な業務を自動化していく構想という。
レジェンダ・コーポレーションは、人事業務に特化したアウトソーシングサービスを提供している企業である。人事労務、採用支援、クラウド型人事システムなど幅広い製品・サービスを提供している。今回、採用業務のアウトソーシングサービスにおいて、手作業や人の判断に起因する課題を解決するため、RPAを導入した。
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採用業務が抱えていた課題は大きく3つある。1つ目は、応募者が急増する毎年3月前後に、手作業の業務量が急増することである。複数の就職ポータルサイトから、顧客企業ごとの求人応募データを手動でダウンロードして、採用支援システムにアップロードする作業である。
課題の2つ目は、人の判断が必要となる処理が多く、判断ルールも複雑多岐にわたっていることである。応募者データを採用支援システムにアップロードする際には、同一人物の判定チェックやフラグの追加といった、人の判断を要する処理が数多くある。しかも、顧客企業ごとに判定ルールやフラグ追加ルールが異なるため、判断ルールが複雑多岐にわたっている。
課題の3つ目は、ヒューマンエラーのリスクが大きいことである。応募者データという個人情報を取り扱う一方で、手作業や人の判断が介在する作業が多いため、常にヒューマンエラーのリスクが付きまとっている。
これらの課題の解決策として、採用業務のオペレーションを自動化するため、アシストのRPA関連ソフト「AEDAN自動化パック」を導入した。30日間の試験運用を経て、実業務で効果があることを確認したという。
AEDAN自動化パックは、定型業務を自動化するためのソフトウェア基盤である。アシストが販売している3つの製品を組み合わせてパッケージ化した。人の手作業を自動化するRPAソフト「ROBOWARE」(イーセクターが開発)、業務判断を自動化するBRMSソフト「Progress Corticon」(米Progress Softwareが開発)、周辺システムとのデータ連携を実現するEAIソフト「DataSpider Servista」(アプレッソが開発)である。
例えば、(1)ROBOWAREが、就職ポータルサイトから応募者データを自動でダウンロードする。(2)DataSpider ServistaとProgress Corticonが連携し、ダウンロードした応募者データの同一人物判定やフラグ追加判定を実施する。(3)ROBOWAREが、処理済みの応募者データを採用支援システムにアップロードする。こうしたすべての流れを自動化する。