日本生命は2018年5月17日、営業職員用に新たな携帯端末を2019年4月から導入すると発表した。全国約5万人の営業職員および約1万人の顧客サービス担当者に配備する。現行のノート型PCをWindowsタブレットに置き換える。新端末では、AI(人工知能)やOCR(光学文字認識)などの技術を搭載する。
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営業職員が使う端末を刷新する。現行のWindows 7搭載ノートPCを、Windows 10搭載タブレットに置き換える。6万台を導入する。新端末では、AI機能やOCR機能などの技術を搭載し、営業職員を支援する。機種は富士通の「FUJITSU Tablet ARROWS Tab V727/S」で、モバイル回線にNTTドコモの「アクセスプレミアムLTE(Xi)」を採用する。
新端末導入の目的の1つは、顧客の利便性を図ることである。端末のカメラ機能を活用してペーパーレス化を図り、契約などの事務手続きにおける負荷を軽減する。顧客に操作してもらう画面も使いやすく改善する。次に、営業職員のコンサルティング力を高める。AIや社外の情報を活用し、ニーズに合った情報を提供する。社外でも使える機能を強化することで、働き方の変革も進める。
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具体的な使い方の例は、以下の通り。
顧客への情報提供の質を高めることを目的に、AIサービスであるIBM Watsonを活用する。様々な情報から、顧客ごとに適したメッセージを表示する。また、顧客に役立つ時事情報を提供するため、富士通の話題・記事マッチングAPIサービス「FUJITSU 金融ソリューションFinplex スマート営業APIサービス群neXessary」を活用する。
OCRを活用した文字情報の自動読み取りも実施する。キヤノンマーケティングジ ャパンのOCRエンジンソフト「Rosetta-Stone-Components」を活用する。
地図情報も活用する。まず、ゼンリンの住宅地図ネット配信サービス「ZNET TOWN」を活用し、地図上に顧客情報をマッピングできるようにする。さらに、営業職員の活動効率の向上を図るため、ナビタイムジャパンの経路検索サービス「NAVITIME API」を活用し、訪問先の最適なルートを検索できるようにする。
シニア向けに操作画面も刷新する。一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会(UCDA)による「分かりやすい電子帳票」の取り組みにより、顧客に操作してもらう画面をシニアの顧客に配慮した、見やすく、分かりやすいデザインに刷新する。UCDAからは「伝わるデザイン」の認証を取得いた。
カメラ機能を活用した顧客手続きのシンプル化も図る。ペーパーレスでの手続きによる利便性の向上を目的に、トッパン・フォームズの「FastShot」を活用する。運転免許証などの本人確認書類を新端末で撮影する機能を構築する。