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明石市役所、国保システムをメインフレームからオープン環境に移行

2018年10月30日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

兵庫県明石市役所は、国民健康保険システムをメインフレームからオープン環境に移行した。移行により、2022年までは年間1000万円、2023年以降は年間3000万円のコスト削減を見込む。データ移行ツール「RACCOON」を提供したデータ・アプリケーション(DAL)が2018年10月30日に発表した。

 明石市役所は従来、国民健康保険システムをメインフレームで稼働させてきた。 しかし、プログラムのブラックボックス化が進み、役所内部での改修が難しく、運用コストも高止まりしていた。今回これを、オープン環境で動作する新システムで、国が開発した「市町村事務処理標準システム」に移行した。

 民健康保険は従来、市町村単位で運営してきたが、2018年4月からは都道府県も加わって市町村と共同で運営するようになった。この制度に合わせて国は、国保保険者標準事務処理システムを開発し、このうちの1つである市町村事務処理標準システムを、希望する市町村に無料で配布した。

 明石市役所は、 この標準システムを導入し、メインフレームから移行した。標準システムは、2018年3月にユーザーテストを開始し、2018年4月1日の制度移行に合わせて本稼働を開始した。

 メインフレームから標準システムへの移行にあたっての課題は、既存データの移行だった。文字コード体系が異なるほか、メインフレーム特有の可変長マルチレイアウトからのフォーマット変換や加工を行う必要があった。

 この課題を解決する手段として、データ・アプリケーションの「RACCOON」を導入した。可変長マルチレイアウトのデータを扱える点、大量データを高速に変換できる点、一般的なパソコンで実行できる点、などを評価した。

 データを移行したシステムは5つある。標準システムが搭載する宛名管理システム、資格管理システム、保険料(税)賦課システム、給付システム、保険料(税)収納システム、である。全体で数1000万件あるデータの移行を、一般的なWindows環境のパソコンで13時間で完了させたとしている。

 なお、RACCOONは、業務システムのデータを変換/加工するソフトである。異なるシステム間でデータを受け渡す用途や、旧システムから新システムにデータを移行する用途などに利用できる。各種のデータソース(データベースサーバーや、CSV/XML、Excelなど)からデータを入力し、これらのデータを変換/加工し、変更後のデータを出力する。

 RACCOONのソフトウェアは、データの変換/加工ルールをビジュアル設計するためのデザイナーソフトと、実行時に使う変換エンジンソフトで構成する。デザイナーソフトの画面上では、データの接続先の定義や、データのフォーマットの定義、データの項目同士のマッピングなどを、アイコンや項目名をドラッグ&ドロップする操作で設計できる。

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