NTTドコモは2018年12月13日、IoTセンサーを活用して設備を点検・診断するために必要な要素を一式パッケージ化して提供するサービス「docomo IoTスマートメンテナンスパッケージ」を発表した。2018年12月14日から提供する。振動センサー、IoTゲートウェイ、IoT向けのモバイル回線、設備点検ソフトで構成する。
docomo IoTスマートメンテナンスパッケージは、IoTセンサーを活用して設備を点検・診断するために必要な要素をパッケージ化したサービスである(表1)。設備の稼働監視、異常検知、故障予兆検知ができる。構成要素として、振動センサー、IoTゲートウェイ、NTTドコモのIoT向けLTE/3G回線、ユニアデックスの設備点検ソフト「AirInsight Maintenance」をセット化した。
振動センサー |
IoTゲートウェイ |
docomo IoT回線管理プラットフォーム (LTE/3G用SIM、回線管理Webアプリケーション) |
AirInsight Maintenance利用ライセンス (設備点検ソフトウェア) |
Microsoft Azure利用ライセンス |
ユーザーの工場などにある設備に振動センサーを設置し、稼働中設備の振動データを収集・解析し、設備の点検診断を行う(図1)。モバイル回線と設備診断技術によって、日常点検を半自動化し、振動データの異常検知や、振動データに基づく故障予兆検知を行う。後から設置可能なセンサーやゲートウェイを用いるため、既存の設備にも取り付けられる。
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2018年1月にトライアル版として提供を開始した。その後、ユーザーとともに実証実験を進め、各種の設備に対する故障分析を行い、設備の故障パターンや最適なセンサー設置方法などに関する知見を蓄積してきた。
ユーザーから得た意見をもとに、振動データの可視化インタフェースや、閾値設定によるアラート発出機能、センサー、IoTゲートウェイなどのハードウェアの管理機能、振動データのダウンロード機能などを実装した。
価格(税別)は、1センサーあたり月額2700円。このほか、振動センサーの設置位置の検討や振動データの分析といった導入支援サービスも要望次第で別途提供する。導入支援サービスは25万円から。
トライアル導入事例の1つとして、トーヨーカネツソリューションズは、同社製品であるBHS(空港手荷物搬送システム)の故障予兆をとらえるための実証実験を2018年1月に開始した。今後、全国の空港に納入している製品への水平展開を目指す。別の事例として、三井住友海上火災保険は、顧客の工場に対して故障予兆検知により損害を予防する実証実験を2018年12月に開始した。