東京エレクトロン デバイス(TED)は2019年1月10日、既存の業務用PCを組み込み用のWindows OSでシンクライアント化するサービス「業務端末シンクライアント化サービス」を発表、同日提供を開始した。最大の特徴は、OS機能の自動アップデートを回避して、OSの機能を固定したまま利用できることである。
TEDの業務端末シンクライアント化サービスは、既存の業務用PCをシンクライアント化するサービスである(図1)。方法として、既存PCのOSを「Windows 10 IoT Enterprise」に入れ替え、さらにシンクライアント端末用途にカスタマイズする。ハードウェアは、ハードディスクをSSDに変更したり、メモリーを増設したりして、既存PCの資産を生かしたままシンクライアント化する。
シンクライアント(画面情報端末)は、遠隔地にあるWindows PCの画面をリモートから遠隔操作する端末である。シンクライアントのOSとしてWindows 10を用いるが、シンクライアントの使い方に特化することによって、シンクライアント側にデータを置く必要がなくなるため、リモートワーク時の情報漏洩を防止できる。
シンクライアントのOSとして採用したWindows 10 IoT Enterpriseは、Windows 10の組み込み用途エディションである。通常のWindows 10と比べた最大の特徴は、OS機能の自動アップデートを回避できることである。これにより、OSのバージョンアップによって、既存のアプリケーションが動作しなくなるといったトラブルを防ぐ。
ユーザー企業にあわせてOSのマスターイメージを作成するサービスも提供する。デスクトップ画面の変更、OS起動直後にユーザーの業務システムに自動で接続する設定、セキュリティ対策としてのポリシー設定、などが可能である。OSの入れ替えやカスタマイズは、IT/コールセンター事業などを営むファム(本社:横浜市)の協力によって実施する。
想定する主な用途は、旧OSであるWindows 7(2020年1月14日にサポートが終了)を搭載したPCをシンクライアント化すること。また、汎用のWindows 10を搭載したPCをWindows 10 IoT Enterpriseに移行してセキュア端末化する用途なども想定している。
価格(税別)は、OSのマスターイメージ作成費用が1マスターあたり35万円から。マスターイメージを使って既存のPCをシンクライアント化する費用は、OSのライセンス費込みで1台あたり2万円から。