NTTデータは2019年2月15日、製造業、通信業、エネルギー産業などのユーザーを対象に、機械監視業務や設備保全業務にIoTとAIを導入するシステム構築サービスを発表、同日提供を開始した。米FogHorn Systemsが開発したエッジコンピューテイング向けのデータ収集・加工・分析ソフトを利用する。
工場などでは現在、機械設備に近いところにコンピュータを配置し、クラウドにデータを転送することなく、リアルタイムにデータの収集、加工、監視ができるエッジコンピューティング(フォグコンピューティングとも呼ばれる)の需要が高まっている。さらに、エッジ側でAIによる解析、検知、判定などの処理ができる「エッジインテリジェンス」の需要も高まっている。
NTTデータは今回、米FogHorn Systemsのエッジインテリジェンス製品を用いたSIサービスを用意した。製造業、通信業、エネルギー産業などにおける機械監視業務や設備保全業務に向けて提供する。これにより、機械設備に近いところで、リアルタイムにデータを収集して解析できるようになる(図1)。
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米FogHorn Systems製品を使うことで、既存設備に対する変更を最小限に抑えながら、異常検知や予兆把握のための環境を整備できるという。同サービスの提供にあたっては、米FogHorn Systemsが、同社製品のライセンス提供、コンサルティング、保守サポートを担う。
システム構築では、工場プロセス設備などの既存のOT(制御技術)機器の隣に、データの収集と解析のための独立した環境としてエッジコンピュータを構築する。これにより、本来の業務に影響を与えることなく、トライ&エラーで新しいルールを構築できるようになる。
リアルタイムに発生する大量の生のデータに対して、エッジコンピュータ側でストリーム処理を適用し、解析に必要なデータを整理する。解析機能については、単純なルールベースだけでなく、統計関数、機械学習、ディープラーニングを利用した高度なモデルを適用する。これにより、機械設備に近い現場で、異常検知や予兆把握ができる仕組みを提供する。
NTTデータは、エッジインテリジェンスを含むAIおよびIoT領域において、2020年度までに売り上げを500億円規模に拡大することを目指す。