セールスフォース・ドットコムは2019年2月18日、Marketing Cloud製品の一部でAI(人工知能)を用いたデータ分析機能を提供する「Datorama(デートラマ)」を強化した。Marketing Cloudのデータを統合するコネクターや、開発者向けのツール、インサイト(洞察)に基づいたキャンペーン管理ができる機能を追加した。
Datoramaは、マーケティング用途のデータ分析基盤である。数百のデータソースを集約し、売上から気象や経済指標といった、マーケティングに関連するデータを統合して管理できる。データを統合して可視化することで、キャンペーンの実績管理、分析、効果測定などができるようになる。
今回、Datoramaに、(1)Datorama Marketing Cloudコネクター、(2)Datorama Developer Portal、(3)Activation Centerの3つの強化を施した。
(1)のDatorama Marketing Cloudコネクターを使うと、Marketing Cloudで実施したキャンペーンの効果を、Datoramaで可視化できる。クリックだけでMarketing Cloudのデータを容易にDatoramaにインポートし、キャンペーン効果を重要な指標と照合して確認できる。
また、新たに提供するSocial Studioコネクターを活用すると、ソーシャルメディアでの業界トレンド、ブランドヘルス、競合他社の発信が、自社のマーケティング活動全体にどういった影響を与えているのかを確認できる(画面1)。ペイドソーシャル、ペイドメディア、サイト分析、売上データなどの指標と合わせて、Datorama上で全体を把握できるようになる。
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(2)のDatorama Developer Portalでは、データ統合のカスタマイズやマーケティングチーム向けのアプリケーション構築に役立つ、開発者向けのツール群を提供する。Datoramaの実装をカスタマイズするAPIやコネクター作成ツールなどを提供する。また、Python言語を利用してDatoramaにデータをインポートできるようになる。
(3)のDatorama Activation Centerを使うと、データやデータの分析に基づいて、次のアクションにつなげることができる。Datoramaが表示するリアルタイムなインサイト(洞察)をもとに、緊急事態が発生した瞬間に次のアクションを起こし、ステークホルダーに通知する、といった運用が可能になる。
例えば、複数のマーケティングや広告チャネルを横断して、キャンペーンの効果を比較できる。コストや顧客とのエンゲージメント、コンバージョンなどの進捗が芳しくないキャンペーンについては、条件に応じた自動化ルールなどによって停止させることもできる。また、データ、目標、KPIに基づいてメールやSlackにアラートを発信できる。