[事例ニュース]

インドネシアの電力会社、設備故障を予兆検知する実証を開始、NECのインバリアント分析を活用

2019年3月27日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インドネシアの資源大手メドコエナジーインターナショナル(Medco Energi Internasional)傘下の発電子会社メドコパワーインドネシア(Medco Power Indonesia)。同社は設備の故障を予兆段階で検知するシステムの実証を、NECと共同で2019年4月に開始する。NECが2019年3月27日に発表した。異常検知に役立つNECのAI技術「インバリアント分析」を用いる。

 実証では、メドコパワーインドネシア(Medco Power Indonesia)の中核となる発電所に設置した数千のセンサーから、温度、振動、圧力、ガス流量、発電出力といった様々なデータを収集する。これらのデータを分析し、設備の稼働状況を見える化したり、不具合の予兆を検知する。このための技術要素として、NECのインバリアント(Invariant)分析技術を活用する。

 インバリアント分析技術の特徴の1つは、任意の2つの計測値同士の相関関係をモデル化することで、単一のデータをしきい値で監視するよりも早い段階で異常を検知できることである。通常状態における大量のセンサーデータ同士の相関を機械に学習させておくことによって、通常通りではない異常なイベントが発生した際にアラートを上げられる。

 実証実験の背景についてNECは、インドネシアにおいて電力需要が増えており、安定的な電力供給が求められていることを挙げる。「Medco Power Indonesiaはこれまで、各発電所において人手による巡視点検を定期的に行ってきた。こうした中で、AIなどのデジタル技術を活用することによって、プラント操業の高度化を目指していた」(同社)。

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