インターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年7月10日、米VMwareのパートナー企業が販売するIaaS「VMware Cloud on AWS」の提供を同日付けで開始したと発表した。オンプレミスのVMware環境からVMware Cloud on AWSへの移行全般(環境調査、クラウド化提案、移行プランニング、テスト、移行作業など)を支援するほか、移行後の運用・保守サポートを24時間365日体制で提供する。料金は個別見積もり。
VMware Cloud on AWSは、米VMwareのパートナー企業が販売するIaaSである。AWS(Amazon Web Services)のデータセンターに用意したベアメタルサーバー上でVMwareの仮想化ソフト群を動作させ、これをマネージド型(運用サービス付き)のクラウドサービスとしてVMwareが販売する。2018年11月からは米国や欧州に加えてAWSの東京リージョンでも利用できる。
VMwareの仮想化ソフト群を使ってオンプレミス環境やプライベートクラウド環境を構築しているユーザーは、AWSのデータセンターも、オンプレミス環境と同様のIaaS型クラウドサービスとして利用できる。これまでオンプレミス環境で運用してきた業務サーバーをAWSに移行したり、AWSを使ってDR(災害復旧)対策を施したりできる。
IIJは、VMware Cloud on AWSを販売するとともに、VMware Cloud on AWSへの移行全般を支援する。オンプレミスのVMware vSphere環境からVMware Cloud on AWSへの移行全般(環境調査、クラウド化提案、移行プランニング、テスト、移行作業など)を支援する。また、移行後の運用・保守サポートを24時間365日体制で提供する。
ユーザーサイトとVMware Cloud on AWS間を閉域網で安全に接続するサービスも用意している。IIJのバックボーン上にユーザー専用のプライベートネットワークを構築する「IIJプライベートバックボーンサービス」を経由し、AWSの閉域網接続サービス「AWS Direct Connect」につなぐ。これにより、ユーザーサイトからAWSまでを閉域網で安全かつ低遅延で接続する。
なお、VMware Cloud on AWS以外にも、IIJの自社クラウド(IIJ GIO)においてVMware vSphereのサーバー仮想化基盤を2012年から提供している。現在までに国内および海外7カ国で運用している。IIJ GIOとVMware on Cloudを組み合わせたハイブリッドクラウドも構築できる(図1)。