マクニカは2019年9月10日、産業用のIoT基盤ソフトウェア「MindSphere」(ドイツのSiemensが開発、日本法人はシーメンス)の取り扱いを開始したと発表した。日本国内外の製造業に向けて、MindSphereや、MindSphereをベースに開発したサービスを提供する。これに合わせてマクニカは、MindSphereのパートナープログラムにゴールドパートナーとして参加した。
マクニカの「MindSphere」は、産業用のIoT基盤ソフトウェアである。IoTデータを活用した産業用アプリケーションを開発・運用するための機能群を、PaaS(クラウド型開発・運用基盤)として提供している。
今回マクニカは、MindSphereの取り扱いを開始した(図1)。提供方法の1つとして、マクニカの自社サービスにMindSphereの機能を組み込んだ新たなクラウドサービスを提供する。要素として、マクニカが製造業向けに開発したサービスや、シーメンスが提供するアプリケーションなどを活用している。
拡大画像表示
マクニカが新たに提供するサービスは、スマートファクトリーを実現に必要な要素をパッケージ化している。スマートファクトリーの導入計画の策定、設備やヒト・モノからのデータ収集・分析・可視化、AIや機械学習などのアルゴリズムの生成、システムの構築・運用、システム保守、などで構成する。
この新サービスを導入することによって、工場の設備や工程の課題を総合的に解決できるとしている。例えば、製造ラインの不良原因を分析して歩留まりを改善したり、設備の故障や劣化を予測して予知保全を実現したり、AIを活用した外観検査を実施したりできるようになる。
一方、工作機械を中心とした産業機器メーカーに向けては、MindSphereのPaaSサービスを、そのままアプリケーション構築基盤として単体で販売する。産業機器メーカーは、MindSphereのPaaSサービスを利用して、産業機器メーカーの顧客である製造業に向けて、独自のアプリケーションを開発してSaaS型クラウドサービスとして提供できる。
MindSphereの取り扱いを開始した背景について同社は、日本は欧州などと比べてスマートファクトリーの実現で遅れをとっていることを挙げている。「日本国内の製造業は、データ収集や分析などのAIやIoTに関する技術や、導入計画の策定などのノウハウが不足している」という。