モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は2019年9月19日、組み合わせ最適化問題を高速に解く量子アニーリングによって社会の課題を解決する実証実験を開始したと発表した。実用効果の指標となる社会課題テーマを3つ選定し、量子アニーリングの有効性を検証する。NEC、日立製作所、富士通の量子アニーリングマシンを利用する。
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が、組み合わせ最適化問題を高速に解く量子アニーリングによって社会の課題を解決する実証実験プロジェクトを開始する(図1)。プロジェクトは2018年9月から2020年2月末まで実施し、プロジェクト終了時に成果を報告する。

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プロジェクトでは、3つの社会課題のテーマを選定する。KDDI総合研究所、野村総合研究所、住友商事の3社が、それぞれ個別にテーマを選定する。検証環境は、NEC(量子アニーリングマシンなど)、富士通(デジタルアニーラ)、日立製作所(CMOSアニーリングマシン)の3社が用意する。
テーマの定式化と検証は、Jij、フィックスターズ、Quemixの3社が担当する。全体監修は、早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構准教授の田中宗氏が担当する。
MCPCは、2018年5月に「量子コンピュータ推進WG(ワーキンググループ)」を発足させている。同WGでは、量子アニーリングコンピュータを開発している国内ITベンダー3社(NEC、日立、富士通)を含む36社がメンバーとなっている。
●Next:NEC、富士通、日立の量子コンピュータ領域での取り組み
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