JSOLは2019年11月5日、組立製造業の業務システムを体系化/標準化したテンプレート集「ものづくリンク」を発表した。同日提供を開始した。メニュー化した業務モジュールの中から適切なモジュールを選択し、共通基盤に組み込んで構築することによって、1から構築するよりも短納期で導入できる。販売目標は、3年で15億円。
JSOLの「ものづくリンク」は、組立製造業の業務システムを体系化/標準化したテンプレート集である。JSOLがシステム構築を手がけた事例(豊田鉄工、パワーサプライテクノロジーなど)をベースに、自動車部品メーカーの生産準備プロセスや電子部品メーカーの開発設計プロセスを体系化/標準化したとしている(図1)。
特徴は、テンプレートという半製品により、パッケージでありながらユーザーの詳細な要件を取り入れていくことができることである。また、利用者の人数によらないライセンス体系を採用したことにより、システムを必要とするエンドユーザー全員がシステムを利用できる。
機能面では、多言語に対応しており、クライアント端末の言語を自動判定し、同じ言語で起動する。クライアントソフトの自動配信機能や自動インストール機能も備えており、システム部門の管理負荷を軽減する。アプリケーションの操作性にも工夫を凝らし、ドラッグ&ドロップによる操作を可能にしたほか、表形式インタフェースを搭載した。
システムの導入効果として、ペーパーレス化を図れる。各部で運用している管理資料の統合・廃止、紙図面(顧客図面、見積図面)の電子化、個人持ち資料の廃止、などを実現できる。工数も削減できる。2重入力/入力ミスの削減、各部に存在するチェック作業や確認作業の自動化、連絡漏れや連絡ミスによる手戻りの削減、などができる。また、手配の進捗状況を可視化できるため、どこで止まっているかが分かる。
製品提供の背景について同社は、組立製造業においては、ERP(統合基幹システム)によって生産以降の業務プロセスが効率化されている一方で、生産前の業務プロセス(見積、設計、生産準備)の効率が悪いことを挙げる。「各業務プロセスの所轄部門内でドキュメントを管理していることも多く、関係部門間の情報連携が円滑に行われないなど、業務推進上の課題が生じる一因となっている」という。