[市場動向]

量子コンピューティング推進団体「IBM Q Network」の参加組織が100を突破

2020年1月31日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

米IBMが主導する量子コンピューティングの推進団体「IBM Q Network」の参加組織が100を超えたと発表した。IBM Q Networkのメンバーは、クラウドを通して量子コンピュータ「IBM Q」を利用できる。米IBMがデジタルテクノロジー分野の年次イベント「CES 2020」の開催に合わせて、2020年1月8日(現地時間)に発表した内容を、日本IBMが同年1月31日に伝えている。

 米IBMは、量子コンピューティングを進化させることを目的とした団体「IBM Q Network」を2017年12月から運営している。企業や大学・研究機関で構成する。初期の参加メンバーは12企業・組織で、日本からはJSR、日立金属、本田技術研究所、長瀬産業、慶応義塾大学が初期メンバーとして参画した。

 2020年1月上旬に開催されたCES 2020で、同社はIBM Q Networkの参加組織が100を超えたことを発表した。参加企業の業界は、航空、自動車、銀行・金融、エネルギー、保険、素材、エレクトロニクスと多岐にわたる。今回新たに加わった組織として、アンセム、デルタ航空、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、ウッドサイド・エナジーなどが名を連ねている。

 参加組織は、米IBMが持つ量子技術に関する専門知識や開発リソースにアクセスできる。また、IBM Cloudを介してIBM量子コンピュテーション・センターにアクセスし、米IBMの量子コンピュータ「IBM Q」や量子シミュレータを利用できる。IBM量子コンピュテーション・センターでは現在、商用の量子コンピュータが15台(うち、53量子ビットシステムが1台)稼働している(関連記事日本IBMが量子コンピュータ「IBM Q」の進展を説明、数年後には現実の問題を解決)。

 米IBMはまた、商用汎用量子コンピュータ「IBM Q System One」2台を米国外に設置する計画も発表している。設置先は、欧州最大の応用研究機関であるドイツのフラウンホーファー研究機構と、東京大学本郷キャンパスである。どちらも、量子コンピューティングコミュニティの拡大と新たな経済的機会を生み出すことを目的に、国を挙げた研究の前進と教育体制の実現を目指すという。

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