ガートナー ジャパンは2020年2月5日、国内でカスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience、顧客体験)に取り組んでいる企業は、全体の2割に満たないという調査結果を発表した。「CXプロジェクトが進行中/稼働済み」と回答した企業の割合は、全体の6.6%だった。「検討中」を含めても、取り組んでいる企業の割合は全体の2割に満たない(17.4%)結果となっている。
デジタル技術の普及と競争の激化により、多くの企業では新たな差別化要素を見いだすことが求められている。これに対処するための有望な選択肢として、カスタマーエクスペリエンス(CX:Customer Experience、顧客体験)および、その管理手法であるカスタマーエクスペリエンス管理(CEM)への関心が高まっている。ガートナー ジャパンによれば、顧客関連テクノロジーやCXへの取り組み方法に関して、同社に寄せられる問い合わせが年々増加しているという。
そこで、ガートナーが国内の企業に現在のCXの取り組み状況について尋ねたところ、「CXプロジェクトが進行中/稼働済み」と回答した企業の割合は、全体のわずか6.6%だったことが判明した。「検討中」を含めても、取り組んでいる企業の割合は全体の2割に満たない(17.4%)結果となっている(図1)。
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一方、「CXを知らない/わからない」と回答した企業の割合は27.9%で、「自社には必要ない」という企業も18.3%存在した。「必要だが未検討/(検討に入ったが)進捗が遅い」と回答した企業の36.4%も加えると、全体の8割以上(82.6%)がCXに取り組んでいない状況がうかがえる。
規模別に見ると、従業員数2000人以上の企業では、取り組んでいる企業の割合は35.9%あり、全体の17.4%と比べて2倍だった。ただし、それでも6割以上が取り組んでいないことになる。国内においては、CXの取り組みが依然として進んでいない現状が浮き彫りになった。
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