NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2020年2月7日、オフィス以外の場所でワークスペースの検索やチェックインをスムーズに行えるようにするサービス/スマートフォンアプリ「Dropin(ドロッピン)」のトライアル提供を拡大すると発表した。同年2月から実証実験を本格化し、トライアル利用者およびワークスペース提供店舗の募集を広げる。
Dropinでは、専用のスマートフォンアプリを使って、利用者がいる場所の近くですぐにドロップイン(一時利用)できるカフェや、コワーキングスペースなどを探せるサービスである(画面1)。予約や決済もアプリケーション上で行える。事前に公衆無線LAN(Wi-Fi)や電源の有無、空席状況も確認できる。外出時の隙間時間を活用したり、仕事の内容に応じたワークスペースを選ぶことができる。
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具体的な利用方法は以下の通り。まず、iOS用アプリケーションの「Dropin」を使って、今いる場所の近くにある店舗を検索する。検索条件として、店舗までの距離、Wi-Fiや電源の有無、店舗形態、店内の雰囲気、――などを指定できる。
「今すぐ行く」機能を使い、予約人数と席の種類を指定し、アプリケーションで予約する。「経路表示」機能を利用して、地図を確認しながら店舗に行く。店舗に着いたら、「チェックイン」機能で店頭のQRコードを読み取って入店する。店舗によっては、無料でドリンクを1つ提供してくれる。仕事を終えたら、アプリケーションの「チェックアウト機能」でQRコードを読み取って退店する。
2019年12月から実施しているトライアルが好評だったことから、より幅広く参加者を募る。また、新たにワークスペース提供店舗の募集を開始する。トライアルは、ジェイアール東日本フードビジネスが運営する「BECK'S COFFEE SHOP」と「5 CROSSTIES COFFEE」の一部店舗で限定的に実施した。
今後は、トライアル利用者がスムーズに利用できるかなど、ユーザー体験の価値検証を行う。また、ワークスペースを提供する店舗側の運用状況も検証する。期間は、2020年2月7日~2020年3月31日を予定している。対象は、応募フォームより申し込んだトライアル利用者および店舗になる。
NTT Comは今後、利便性向上のため、カフェ・レストランなどの飲食店だけでなく、コワーキングスペースや貸し会議室などを提供する事業者と独自に提携し、ワークスペースの選択肢を増やしていく。また、決済方法について、アプリケーション内決済や法人向けの一括請求支払に対応することで、キャッシュレスでよりスマートに利用できるようにする。
将来は、AIやセンシングなどの技術を活用し、混雑状況や利用者の好みに適したワークスペースをレコメンドすることや、利用者同士がつながるコミュニティ機能なども検討している。
背景について同社は、場所にとらわれない働き方であるリモートワークが、災害やパンデミック時のBCPとなること、あるいは大規模な国際競技大会期間における交通混雑緩和になることなどから注目を集めていることを挙げる。
「オフィスや自宅以外で働く場所を確保する際には、利用したい店舗のWi-Fiや電源の有無が分からないことや、現地に行っても満席で利用できないことがあり、必ずしも柔軟に場所を選べない」(同社)。