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日揮グローバル、CAD設計に使うVDI環境のストレージを刷新、応答性能を10~20倍に向上

2020年2月18日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日揮グローバルは、CAD(コンピュータを使った設計)に利用するVDI(デスクトップ仮想化)環境のストレージを刷新した。ハードディスクベースのストレージをオーフフラッシュストレージに置き換えたことで、ストレージの応答性能を10~20倍に高め、より快適に設計できるようにした。ストレージ「Pure Storage FlashArray//X50」(米Pure Storage製)を販売したネットワールドが2020年2月18日に発表した。システムの提案・導入は、富士通エンジニアリングテクノロジーズが担当した。

 日揮グローバルは、海外の各種プラントや施設のEPC(設計・調達・建設)事業を営む企業。2013年からは、CAD設計用のワークステーションをVDI環境で提供している。今回、このVDI環境のストレージをハードディスクベースからオールフラッシュストレージに刷新し、より快適に設計できるようにした(図1)。

図1:日揮グローバルはCAD用途のVDIシステムで利用するストレージシステムを刷新し、より快適にCAD設計を行えるようにした(出典:ネットワールド)図1:日揮グローバルはCAD用途のVDIシステムで利用するストレージシステムを刷新し、より快適にCAD設計を行えるようにした(出典:ネットワールド)
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 旧ストレージ環境のレイテンシ(応答時間)は、平均で約10~20ミリ秒程度だった。新たに導入したPure Storage FlashArray//X50は、1ミリ秒以内でアクセスできる。応答速度が約10~20倍に向上したことで、仮想マシン起動時のアクセスが一時的に集中して処理が遅くなるブートストームなどの課題を解消した。アプリケーションの動作速度も改善し、より快適に設計できるようになった。

 VDIイメージを複製するスナップショット機能も高速に働く。仮想マシンのCADワークステーション約500台分のスナップショットとリストアを、ほぼ一瞬で完了できるようになった。また、何かストレージに問題が発生した場合は、クラウド型で動作するストレージの管理サービス「Pure1」を介してアラートの通知や助言が得られる。スマートフォンでも情報を確認できるため、移動中や外出先でも迅速に対応できるようになった。

 Pure Storage FlashArray//X50が備える圧縮・重複排除機能により、ストレージ容量も最大で約1/18に削減した。余裕ができたリソースを、社内で稼働する各種ストレージを統合するための基盤としても活用する計画である。

 なお、日揮グローバルの設計業務においては、プロジェクトや部門ごとにCADソフトウェアやバージョンが異なる。このため、世界各国の設計拠点に迅速にCAD設計環境を提供するためには、あらかじめ「プロジェクト×部門×ソフトウェア」の組み合わせでDVIイメージを準備する必要がある。

 これに対して、ハードディスクベースのストレージを利用していた従来の環境では、VDIイメージの展開作業などに多くの時間を要していた。また、アクセスが集中する朝の時間帯には、ブートストームも生じていた。レスポンスや計算処理の速さを確保するため、高性能で大容量のストレージを求めていた。

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