中外製薬は、AIとの会話でMR(医薬情報担当者)の業務報告ができるシステムを構築した。訪問先、日時、自社医薬品の情報提供に利用した資料名などをスマートフォンから音声で報告することで、CRMの各項目に自動で内容を分類し登録できる。エージェントAIのソフトウェア「RECAIUS報告エージェント」を提供した東芝デジタルソリューションズが2020年2月27日に発表した。
中外製薬は、MR業務の報告負荷の低減と迅速な業務記録の実現に向けて、報告エージェントソフトウェア「RECAIUS報告エージェント」を導入した(図1)。スマートフォンに音声で報告することで、エージェントAIが音声認識してテキスト化し、あらかじめ登録した報告項目(訪問先、日時、内容など)に自動的に振り分け、CRMに登録できる、AI対話型のクラウドアプリケーションである。
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2018年9月に厚生労働省が公表した「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」によって、MRは、以前よりも詳細に業務を記録することを求められるようになった。業務記録(販売情報提供活動において口頭で説明などを行った内容の記録を含む)の作成・保管や、販売情報提供活動のモニタリングなどが求められる。
これに対して中外製薬は、記録すべき情報を残しつつMRの負荷増を軽減できるように、各種システム連携、CRMの項目、PC入力インターフェース、スマートフォン入力ツールなどを見直した。この一環として、RECAIUS 報告エージェントを導入した。発話のみで日時/訪問先などの報告項目をCRMに登録できる点を評価した。