[市場動向]

「クラウド3D CADだからこそ得られる価値と体験がある」─ソリッドワークスCEO

2020年3月18日(水)鈴木 恭子

ワークステーション/ハイスペックPCで動かすイメージのある製造業向け3D CAD設計ソリューションもクラウドシフトが進んでいる。先頃、この分野のグローバル大手である仏ダッソー・システムズが自社および傘下のSOLIDWORKS製品群をSaaSモデルで提供すると発表、流れはより加速しそうだ。この変化にユーザーは適応できるのか。どんな価値や体験をもたらすのか。米ソリッドワークスのCEO、ジャン・パウロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏に、戦略やユーザーメリットを聞いた。

ツール・機能・データを集約する3D CAD/設計プラットフォーム

 仏ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)の「3DEXPERIENCE」は、デジタル時代の3D CADエクスペリエンスを指向した製造業向け設計・開発プラットフォームである(写真1)。ここに、3Dモデリング、設計、解析、シミュレーション製造、管理といった製造業向けソフトウェアとそれらが扱う情報・データを一元的に集約し、製造プロセスの連携や関係者同士の協調作業を支援する。

 プラットフォームを名乗っているとおり、技術情報共有基盤としてコラボレーション機能やスケジュール管理、データ管理、自動ソフトウェアアップデート機能が備わっており、それぞれがシームレスに連携している。ダッソー・システムズは「3DEXPERIENCEを活用すれば、ユーザーは複数のサードパーティ製品を併用することなく開発・設計に集中できる。さらに、『ソフトウェアの異なるバージョンで、データの互換性が保てない』という課題も解消できる」とアピールしている。

写真1:リアルシミュレーションを可能にするダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE CATIA」。3DEXPERIENCEプラットフォームの方向性を端的に現した製品だ(出典:3DEXPERIENCE CATIA YouTube公式チャンネル)

 3DEXPERIENCEプラットフォームを文字どおりの基盤に据えて、ダッソーは自社製品・機能の提供スタイルを大きく変えようとしている。同社の年次ユーザーコンファレンス「3DEXPERIENCE WORLD 2020」(2020年2月9~12日、米テネシー州ナッシュビル)で発表された新製品「3DEXPERIENCE WORKS」がまさにそれだ(画面1写真2)。

画面1:3DEXPERIENCE WORKSの操作画面(出典:SOLIDWORKS YouTube公式チャンネル)
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写真2:「3DEXPERIENCE WORKS」は利用できるロール(機能)の内容に応じて、Standard/Professional/Premiumの3つのグレードが用意されている
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 WORKSは、ダッソーが提供する一連の製造・設計・開発ソフトウェアを機能ごとに細分化し、特定業務に分類した「ロール」(Role、ここでは機能)をクラウドサービス(SaaS)として提供する。ユーザーターゲットは既存のSOLIDWORKSユーザーと、小規模・中堅レンジの製造業である。

 具体的には製造工程ソリューションの「DELMIA」、シミュレーションの「SIMULIA」、製品ライフサイクル管理の「ENOVIA」といった各種用途のソフトウェアをロールという“一口サイズ”の単位で提供する。ユーザーは3DEXPERIENCEプラットフォームから必要なロールをダウンロードし、ライセンス認証の後Webブラウザ上ですぐに走らせることができる。WORKSで作成したデータは基本、クラウド上に保存され、アクセス権の設定で第三者とのセキュアな共有を行える。

 仏ダッソー・システムズ傘下の米ソリッドワークス(Dassault Systèmes SolidWorks)でCEOを務めるジャン・パウロ・バッシ氏(写真3)は、「もはやエンジニアは、ソフトウェアのアップデートやデータ管理といった、本業ではない繁雑な作業に手間を割かれることがなくなる」とそのメリットを強調する。

写真3:米ソリッドワークスCEOのジャン・パウロ・バッシ氏。3DEXPERIENCE WORLD 2020の会期中、各国プレス取材に積極的に応じて、新しい戦略を語った

●Next:3D CADクラウドがもたらすメリット、今後のパッケージ版の行方

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