SBクラウドは2020年5月20日、Alibaba Cloudの日本リージョンで提供が始まったリレーショナルデータベース「ApsaraDB for POLARDB」を活用したデータベース構築サービスを同日付で開始した。価格は個別見積もり。
SBクラウドの「ApsaraDB for POLARDB」は、パブリッククラウド「Alibaba Cloud」で利用できるRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)である。MySQL、PostgreSQL、Oracle Databaseなどとの互換性をうたっている。これまで海外リージョンで提供していたが、2020年4月30日から日本リージョンでも提供を開始した。
SBクラウドは以前から、ApsaraDB for POLARDBを含んだAlibaba Cloudのクラウドサービス群を日本企業に向けて販売している。今回、ApsaraDB for POLARDBが日本リージョンでも提供になったことを受けて、ApsaraDB for POLARDBを活用したデータベース構築サービスを開始した形である。「インテグレーションサービス」と「技術支援サービス」を提供する。
「インテグレーションサービス」では、SBクラウドのエンジニアが、ユーザー企業のデータベースを設計・構築・設定する。要件に応じて、バックアップ/リカバリー機能の構築や、オンプレミスや他のサービスからのデータベースの移行なども行う。DR(災害復旧)やBCP(事業継続計画)の強化を目的としたマルチリージョンのスタンバイデータベースの構築も可能である。
また、データベース層にApsaraDB for POLARDBを適用したWebの3階層システムのためのミドルウェア基盤も構築できる。システムに必要なネットワーク、Webアプリケーションサーバー用の仮想マシンインスタンス、負荷分散装置、セキュリティ機能などのシステムをワンストップで設計・構築する。ユーザーは、インフラ基盤の設計を考えることなく、アプリケーション開発に専念できる。
一方、「技術支援サービス」では、SBクラウドのクラウドエンジニアが、ユーザーに対して、包括的な技術支援を実施する。例えば、データベースの設計・構築に関する打ち合わせを実施したり、ドキュメントを査読したり、技術的な質問に対して調査して回答したりする。
なお、2020年4月30日から日本リージョンで利用可能になったApsaraDB for POLARDBは、Alibaba Cloudで利用できるデータベースの1つである(表1)。特徴は、コンピューティング層とストレージ層を、CPUを経由しないRDMA(Remote Direct Memory Access)で接続することで、ストレージI/O負荷を軽減し、データ転送時の処理速度を高めていることである(図1)。
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従来型のデータベースである「Alibaba Cloud RDS for MySQL」との比較では、QPS(1秒当たりのクエリー数)が約22倍、TPS(1秒当たりのトランザクション数)が約2.2倍に向上した記録があるという。また、米Intelのテストでは、競合サービス「Amazon Aurora」と比較してQPSが約1.3倍に向上し、95%のレイテンシーが約1.8倍に改善する結果が出たという。
なお、Alibaba Cloudでは、ApsaraDB for POLARDBを含めて、全部で8種類のリレーショナルデータベースを提供している。ApsaraDB for POLARDBのほかに、「Distributed Relational Database Service」「ApsaraDB for OceanBase」「ApsaraDB for MySQL」「ApsaraDB RDS for PostgreSQL」「ApsaraDB RDS for SQLServer」「ApsaraDB RDS for PPAS」「Apsara DB RDS for MariaDB」を提供している。
ノードごとのCPUコア数 | 4コア~88コア |
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ノードごとのメモリー数 | 16GB~710GB |
ストレージ | 最大100TB |
クラスターごとの接続数 | 5000~6万4000 |
ノードごとのIOPS(1秒当たりのI/O回数) | 3万2000~25万6000 |
ノードごとのネットワーク帯域幅 | 25Gbit/秒~50Gbit/秒 |
ノードごとのQPS(1秒当たりのクエリー数) | 最大100万 |
ノードごとのTPS(1秒当たりのトランザクション数) | 最大13万 |
スケーリング数 | 最大16ノード。ダウンタイムなしでスケーリング可能 |
対応リージョン | 16カ所 日本(東京) 中国本土(9カ所) 香港 アメリカ(シリコンバレー) シンガポール インドネシア(ジャカルタ) マレーシア(クアラルンプール) ドイツ(フランクフルト) |