Dropbox Japanは2020年6月11日、法人向けサービスにおける機能の拡充を発表した。ユーザーの利用状況が一目でわかるダッシュボード機能や、リーガルホールドを可能にするデータガバナンス向上のためのアドオン機能などを新たに提供する。併せて、クラウド型の電子署名サービスHelloSignを、2020年夏頃を目途に提供する。
Dropboxが新たに提供する「Dropbox Business管理者用ダッシュボード」は管理コンソールから利用できる機能で、アクティブユーザー数や使用済み容量のほか、ユーザーがアップロード、ダウンロード、編集、プレビューなど、どのようにファイルを使用しているかを一目でわかるように表示する(画面1)。
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データガバナンスを向上させる機能として、2つのアドオン機能を提供する。
EVH(エクステンデッドバージョン管理)アドオンは、10年間にわたる変更履歴を無制限で保管する機能。Dropbox Japan代表取締役社長の五十嵐光喜氏(写真1)は「10年間、例え何百万回変更されたとしても、指定した時点の履歴にファイルを戻すことができる」としている。
データガバナンスアドオンは、訴訟の発生時点や訴訟の可能性が判明した時点で課せられる電子文書の保全義務である、法的(リーガル)ホールドに対応したもの(画面2)。管理者は、法的ホールドの対象となる社員が作成・変更したすべてのコンテンツの表示とエクスポートが可能となる。
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加えて、電子サインのクラウドサービスHelloSignを、2020年夏頃を目途に提供開始する。これまでDropboxでは、米アドビのAdobe Sign、米DocuSignのDocuSignといった電子署名ソリューションとの連携に対応していたが、新たに米Dropboxが2019年1月に買収した米HelloSignの電子署名機能にも対応する。電子署名は、電子文書が正式なもの、改竄されていないものであることを証明する機能。
ユーザーがDropboxに保存されているドキュメントに対して上長、担当者などに署名を依頼すると、依頼された上長、担当者はドキュメントに対してHelloSignによる署名を行う。署名済みのドキュメントはすべてDropboxに保存し、検索してアクセスできるようになる(図1)。「一連の処理をクラウド上でシームレスに行うことができる。自社製品のため、Dropboxの機能拡張などに迅速に対応できるのが、HelloSignを利用する利点」(五十嵐氏)としている。
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北米ではすでにHelloSignとの連携機能が提供されており、コロナ禍以降、署名依頼数が3倍に増加しているという。日本でもテレワークが広がっているが、「紙の書類にハンコを押印するため」という日本特有のハンコ文化のためテレワーク中に出社を余儀なくされる人が多くなっている。このような状況を踏まえ「日本でも高いニーズがあると判断し、ローカライズして市場投入することにした」(五十嵐氏)としている。