[事例ニュース]
三井住友海上、代理店支援システムにAIロボットを搭載、顧客への適切な提案を可能に
2020年6月26日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
三井住友海上火災保険は2020年6月26日、dotData Japanと日本テラデータが開催した記者説明会に登壇し、AIを用いたデータ分析によって代理店を支援するシステム「MS1 Brain」の構築事例を紹介した。2020年2月から稼働しており、3万店の代理店が利用している。本稼働前のトライアルでは全国30店の代理店が利用し、保険契約の付帯率が2.5倍に向上した。
三井住友海上は、顧客体験価値を高めるため、AIを活用した代理店サポートシステム「MS1 Brain」を2020年2月に稼働させた。代理店は、ビッグデータ分析に基づいて、顧客ニーズを把握できる。最適な商品やサービスを、的確なタイミングで提案できるようにナビゲートする。現在、約3万店の代理店が利用している。
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代理店向けの業務アプリケーション画面の右下に、AIロボットが常駐する(図1)。AIロボットは、三井住友海上や代理店が持っている顧客情報、さらに外部の企業情報などのビッグデータを分析し、代理店にとって有益な情報を適宜プッシュ通知する。主な機能として、顧客ニーズの予測分析、実施すべきアクションの提案、パーソナライズした販促動画の生成、――などができる。
MS1 Brainの構築にあたり、大量データの分析が必要だったので、まずは2019年4月に日本テラデータのデータ格納・分析ソフトウェアを導入した(関連記事:日本テラデータが分析基盤ソフト「Teradata Vantage」を提供、データ分析のサイロ化を解消)。
さらに、データサイエンティストを採用しなくてもいいように、AIを活用した予測モデルの生成を自動化できるソフトウェアとして、2020年2月にdotData Japanの「AutoML 2.0」を導入した(関連記事:SMBCグループ、AIをカードや住宅ローンの販促に活用)。現在、予測モデル60本を運用している。
なお、AutoML 2.0は、マシンラーニング(機械学習)を自動化するソフトウェアである。これまでであればデータサイエンティストが実施していた、データの準備、仮説の立案、機械学習、分析結果の説明、――などをAutoML 2.0が自動で実施する。これにより、データサイエンスを業務に適用するハードルが下がる。